島嶼部生息の「ドワーフ・アカアシガメ」

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    日本で流通しているアカアシガメには、あまり大きくならない「ドワーフタイプ」と言われる種類がいます。「ブラジリアン・チェリーヘッド」、カリブ海の島嶼部生息の「バルバドス産アカアシガメ」と「グレナディーン産アカアシガメ」の3種です。

     

    「バルバドス産」と「グレナディーン産」は、南米大陸北部のノーマルタイプの枝分かれした種とされていまして、一見ノーマルタイプと見分けがつきませんが、大きくなりすぎないと言われています。

    ノーマルタイプの腹甲が黄色いアカアシガメが好きで、飼育環境が限定的な人にとって、夢のような話でして、この「ドワーフタイプ」はどの程度の大きさで成長が止まるのか、期待が寄せられています。

     

    ところで、「バルバドス産」と「グレナディーン産」が大きくならない、という話は本当なのでしょうか?

    本当だとすると、見分けがつきませんから、ベネズエラ産CBと言われながら「チェリーヘッド」と銘打たれ販売されていた我が家のアカアシガメが大きくならず(知っている方にとってはちょっとした矛盾。)、スリナム産の27cmの雄が繁殖において役に立たない、なんてことあるかもしれません。

     

    SNSの発展は本当に素晴らしく、日本にいながらベネズエラやスリナム、コロンビアなどなど、各地のアカアシガメの野生個体の写真、動画を見ることができます。無断転載はできませんので、「バルバドス産」と「グレナディーン産」のアカアシガメの大きさが検証可能な材料をインターネットで再調査し、見つけてきました。

     

    まず、「バルバドス産アカアシガメ」についてです。

    カリブ海に浮かぶバルバドスには、アカアシガメを含め野生動物を護るBarbados Wildlife Reserve、いわゆる保護区があります。

    保護区内では、アカアシガメや猿、鳥などが自由に歩き回っており、サファリパーク一体型動物園のような面白さから、観光名所の一つとなっています。

    さて、この保護区では、大きな餌場が設けられており、動物たちが一斉に集まってきます。

    その様子を動画(Tiffany Tooley氏撮影)で見てみたいと思います。

    あらゆる動物がごった返していますが、アカアシガメたちも餌を求めて負けじと参戦しています。

    彼らアカアシガメの大きさは、およそドワーフとは形容しがたく、ノーマルタイプのアカアシガメと同じ、30cm~40cm弱ぐらいのようです。

    もっとも、動画の個体群は結構な年齢のようで、ここまで甲羅が分厚く、かつ摩耗するには、30、40年の年月はかかるでしょう。

     

     

    次に、「グレナディーン産アカアシガメ」についてです。

    カリブ海にあるセント・ヴィンセント・グレナディーン諸島のアカアシガメについては、リサーチに手間取りました。

    アカアシガメの写真は多くあるのですが、大きさを比較するものがないのと、写真個体が子供か、セミアダルトか、アダルトか、判別できないからです。

    カリブ海のリゾートホテルを紹介するウェブサイトで、やっと次の画像を発見しました。

    (出典 Islands  Bequia, St. Vincent and the Grenadines 2007)

     

    ハイビスカスを食べているアカアシガメの写真ですが、頭も大きく、前足は太く、非常に大きく感じます。おそらく、30~40cm弱の野生個体で、ここまで大きくなるのには、20年以上は要するでしょう。

     

    このほかにも、セイント・ヴィンセントの島を巡った方のブログに「local tortoises」の紹介がありました。

    個人ブログでコンタクトを取っていないため、写真の転載は避けますが、spiritofargo氏の「IT'S A DOG LIFE」の中下段に、アカアシガメをキープするレストランの紹介があります。

    キープしている理由は、食べるためでしょうか(苦笑い)?

    まぁ、我々がスッポンを食べるのと同じ感覚かもしれませんね。

    大きさは写真から判別できませんが、あまり大きすぎない印象で、30cm未満だと思われます。

     

    もっとも、グレナディーン諸島には、多くの島があるので、本当に大きくならない「ドワーフ・アカアシガメ」がいるかもしれません。「グレナディーン産」として手にするCB個体たちが、その「ドワーフ」であることを願ってやみません。

     

    以上、「バルバドス産」と「グレナディーン産」が大きくならない、という話は本当か検証してみました。

    結論を述べますと、少々怪しい情報である、と考えられます。

    SNSで友好関係を構築中ですので、今後現地の人との交流等で新しい情報を入手次第、ブログにて報告したいと思います。

     

    最後に、ノーマルタイプのアカアシガメは、確かに大きくなりますが、成長速度はそれほどはやくなく、25cmに達するのに8年ほど要し、それ以後は年に数ミリずつしか成長しません(クリーパー2004年25号、p65)。

    リクガメの中では中途半端に大きくなる理由で倦厭されることがありますが、いずれ紹介するように優れた知性もあり、一匹だけリクガメを飼うならば、私はこのリクガメをオススメします。

    (英文は追記します。)

     

    Copyright (C) 2013-2017 ちゃかぽん(Sug) All Rights Reserved.


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      • 2017.05.23 Tuesday
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      • 07:28
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      • by スポンサードリンク

      コメント
      おはようございます(^^♪

      アカアシガメキーパーとしてアカアシガメ記事を拝見すると嬉しいことこのうえないです!
      「自分は一人ではない!」と孤独が癒されます(;^ω^)

      カリブ島嶼のアカアシガメはノーザンフォームの移入で、矮小化したのは食料が少ないこと、捕獲圧によるもの、すなわち大きな個体は食用や輸出用に捕獲されるためだという説を聞いています
      よってカリブ島嶼のアカアシガメも素質的には比較的大きくなるものと思われますが、遺伝的集積性もあるのでやはり本場のノーザンより小さいのかな?と思ってみたりしています
      に、してもちゃかぽんさんのソースの渉猟力には驚きます!素晴らしいです!

      ギリシャの繁殖ですが、僕は♂2頭、♀6頭、最盛期にはおりましたが、実際主戦力になったのは♂1頭に♀3頭のハレムでした
      ギリシャはヘルマン以上に繁殖期の♂のアグレッシブさが強烈なので、アテ馬がいないと♀がかわいそうなんですよね…

      アカアシガメもいつか子をなしてくれたらなぁと思っていますが、まずは育成に励みます(^_-)-☆
      わきんなますた〜さん

      おはようございます!

      遺伝的集積性は可能性としてあると思います。アオダイショウも本州と北海道で異なる骨格と色彩をもっていますので、爬虫類ではしばしば起こり得ることなのだと思います。
      ただ、ドワーフと言えるほど小さいのかは、議論があってもよいと思っています。ペロポネソスフチゾリリクガメのように亜種として認められるものが本当にいれば、興味深いことですので。

      SNSで海外のキーパーを色々見たり話を聞いたりしてみると、リクガメのアダルトの小ささを歓迎する傾向はありませんし、もしかしたら日本社会特有の住宅事情でこういう売られ方もするのかな、と邪推してみたり。

      リサーチは職業柄得意な方なので、楽しくやつまています。

      ギリシャの雄2、雌6は、想像するだけで、ガチガチと甲羅を当てる音が聞こえそうです。
      そして、数がいても戦力とならない可能性があるという話は、繁殖を視野にいれると、勉強になり、色々と考えさせられます。ノーマルは大きくなるまで時間がかかりますからね。

      アカアシ議論は私も楽しいので、孤独が癒されるならば幸いです。
      • ちゃかぽん
      • 2017/04/21 7:29 AM
      おはようございます(^^♪

      以前、チェリーヘッドについては小型が売りで養殖されていると聞きました
      今月に入ってグレナディーン産を謳ったアカアシガメベビーが輸入されていて、小売店に出回り始めました
      かわいらしいです(^^♪
      また未確認ですがEUCBのチェリーヘッドも入ってきているみたいです
      まとまった入荷は久しぶりですね
      でもグレナディーン産というロカリティのベビーはパッと見普通のノーザンフォームのベビーとかわりないですね(;^ω^)
      わきんなますた〜さん

      こんばんは!

      チェリーヘッドは、確かにそうでしょうね。ノーマルに限った印象でしたが、文意が取りづらく申し訳ありません。

      グレナディーン産のアカアシガメが出回っているんですか!?
      なんやかんやで、アカアシ好きの私としては、見てみたいので、もし東京近辺の入荷情報をご存じでしたら、教えてください!

      そして、ノーマルのアダルトの雌を真剣に探しているので、こちらも情報提供くだされば幸いです。仙台の店にはペア売りしているのですがね・・・。

      雌っぽい個体(17cm、1kg弱)を、産卵可能な25僂泙蚤腓くするのは6年かかりますし、「野草・果物+週2のMazuriフード」で育成を検討していますが、フードに全く慣れていないせいか、フードを織り交ぜて2週間したら便秘気味で息んでいたので(苦笑い)、なかなか難しいかな、と。

      慣れていない固体にフードを与える場合は、トマトなどの水分量が多めのものを混ぜてあげた方が良いなと、今更ながら学び、練餌の発想は素晴らしいなと改めて実感しました。

      次の記事で、チェリーヘッドのファーム情報を紹介します。
      チェリーヘッドが意外と乾燥に強い、とブログで書いていらっしゃいましたが、ファームの写真を見ていて、ご指摘の通りだなと思いました。
      • ちゃかぽん
      • 2017/04/21 7:01 PM
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