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    • 2017.06.25 Sunday
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    リクガメ飼育の模索

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      この記事では、私の飼育方法の模索を紹介したい。

      まず、私がリクガメ飼育において重視している点について述べ、次に過去の実践例を、最後に現在のカメの状態を紹介したい。

      (パソコンでの閲覧推奨)

      なお、この記事は私自身が何を重視して飼育してきたかを紹介するもので、飼育方法の是非を問うものでなく、他の飼育方法への批判的意図がないことは最初に述べておきたい。不快な思いをされる方がいるかもしれないが、私なりの模索の結果、カメに対する愛情表現を記しただけで、飼育方法に絶対などないと考えているので、ご容赦願いたい。

       

      1.リクガメ飼育において何を重視するか

      まず、リクガメ飼育全般に関してだが、どのような飼育方法をもって満足するかは人それぞれで、その善し悪しも評価しようのないものだと思っている。

      「飼育者の癒やし」のために飼うことと、「カメの健康」を一番に考えて飼うことは、そもそも志向性が異なるので、比較しようがなく、一方が自身の飼育法を「正義」と考えて他者を批判したところで、他者には他者の「正義」があるのは、言うまでもないことである。

       

      「カメの健康」を考えた飼育であっても、何を重視するかは千差万別で、給餌内容(量やバリエーション)、飼育スペース、甲羅の成長などなど、その人によって様々で、他者の飼育方法をどう思うかは、好みの問題でしかない。

       

      これは世の中の社会問題への考え方にも通ずる問題で、たとえば近年著しく深刻化している(と認知されてきた)「子供の貧困」も、健康的な食事を重視するならば「子供食堂を展開するボランティア団体への支援」、不十分な教育と低所得労働就労による貧困の再生産を問題とするならば「無料子供塾への支援」や「教育の無償化」、など、その人が何を重視するかによって立場がことなり、他者の取り組みを「子供の貧困」の解決策としてどう思うかは、広義の「好み」の問題でしかないのである。

       

      「貧困」の問題に引きつけてリクガメ飼育をいうならば、私が重視する点は、「カメの選択肢を増やすこと」にある。

      経済学者のアマルティア・センが提唱した「貧困」へのアプローチは、金銭的に困窮していなければ本来持ち得た選択肢を回復させ、「選択の自由」の平等を取り戻すことである。「不十分な食事」は食事を摂る自由が欠けた状態、貧しさからくる進学の断念は教育選択の自由が欠けた状態、なのである。

      こうした考えが理解できれば、先進国に貧困問題があるはずがない、という誤った認識から、抜け出すことができるはずである。

       

      さて、「カメの選択肢を増やす」とはどういうことか。

      人に飼われなければ享受できた可能性のある選択肢の自由を、できるだけ回復させることである。

      広いケージや庭の提供は、リクガメの行動の選択肢を増やす。たとえば、目的もなく歩くことや、よくわからない場所で何時間もぼーっとすること、穴を掘ること、草木の中に潜むこと、虫を追いかけること、これらは行動選択の自由があるからできることである。

      さらに、多様な雑草・植物があれば、食の選択肢を増やすことに繋がる。

       

      2 過去の飼育環境

      「カメの選択肢を増やす」ために用意した以前の環境は、次の写真である。

      当初は笹しか生えていなかったが、ハーブや雑草を移植して、リクガメの住環境を用意した。

      ほぼ半年の間、日中どこにいるのかもわからないほどで、庭の所々にはカメたちが夜風を凌ぐ穴が掘られていた。

      クズ野菜や近隣で採取した雑草を置く餌場があり、気が向いた時に各々が食べに来ていた。

      自宅敷地で伐採した雑草も、食べるかどうかを彼らに任せ与えていた。

      春から秋の約半年間は、窓から彼らを見かけることで、生存を確認していた。

      リクガメが実に多様な行動することを、以前の飼育環境から学ぶことができた。

       

      この飼育方法では、食事量や体重の増減、甲羅の成長速度は重視されておらず、健康状態の把握は、カメの表情、歩き方、歩く速度、餌への反応の仕方など、個体の観察によって行っていた。

      四方を建物で囲まれた南向きの庭で、自宅敷地からしかアクセスができなく、幸運にもセキュリティも万全だった。

      このような環境は都市部では確保が難しいのは、言うまでもない。

       

      3 現在のカメの状態

      転居により提供環境が変わり、ガーデンフレームで用意した庭にも雑草が根付きはじめているが、以前のような選択肢は残念ながら用意できていない。

      ちなみに、ガーデンフレームからの土漏れ、排水溝の詰まりを気にする声があるが、マルチングシートを敷いた上に土を入れれば、大雨でも土が流れ出すことは、今のところ確認できていない。

      (追記、現在のところ、排水溝の詰まりは確認できませんが、地域によって、とりわけ豪雨地帯の場合は、その保証はありません。排水溝にネットを敷き、周辺をレンガで覆い、その周辺に小石を敷くなど、対策をしてください。昨日の豪雨でも水溜まりができませんでしたので、もしかするとフレーム内に入れる土が重要かもしれません。我が家では、「花の土屋さんカネア」の園芸用土「銅の土」を600リットルほど入れましたが、この土は、いわゆる土というよりも、ふかふかしたミックス腐葉土?のようなもので、水はけが非常に良いです。川砂や砂利、黒土を層のように入れるか検討しましたが、こちらの園芸用土の方が水はけが良さそうで、予算上手頃だったので、こちらを採用しました。ご参考までに。)

       

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      どのカメも良い表情をしてくれている。

      こうした表情を見られれば、彼らの健康状態は抜群で、その日どれくらいの餌を食べたか、体重が増えているかは、大きな問題とならないと考えている。

      できるだけ彼らの選択肢を増やせるよう、これからもリクガメ飼育を模索していきたい。

       

      最後に、この記事は「飼育方法はこうあるべき」といった「べき論」でないことを、もう一度述べておきたい。

      これは私なりの模索で、カメのことを考え、どういう環境が良いか試行錯誤した、一事例にすぎない。

      「庭を用意できなければ、そのような資金がなければ、飼うべきでない」といった極論を展開したわけでないことを、ご理解頂ければ幸いである。

       

      梅雨の時期は寒暖の差がありますので、皆様も皆様のカメさんも、体調にはお気を付け下さいませ。

       

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      アメリカのカメブリーダー、クリス・レオン氏の紹介 "An American top Chelonia breeder, Chris Leone"

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         この記事では、アメリカのブリーダー、クリス・レオン氏を紹介します。

        PCでの閲覧を推奨します。

        (2017年6月7日、画像追加・追記しました。)

         

        This article introduces Chris Leone, an American breeder and owner of Garden State Tortoise LLC.

        He's successfully kept and bred over 50 species/subspecies of turtles and tortoise for more than twenty years. He's the Director of Animal Husbandry for the TurtleRoom.com. And he's well known as a large collector of Western Hermann's tortoise and he's also the coordinator for the North American Regional Studbook regarding them. He covers a wide range of activities(for example, helping local zoos and wildlife agencies, writting some articles to Reptiles Magazine and various media, and researching DNA in Testudo species etc.). In recent years, he was awarded "Chelonia Breeder of the Year" by the Reptile Report.

        I appriciate for his kindness.

         

        クリス氏は、Garden State Tortoise LLCのオーナー兼ブリーダーで、20年以上、50種以上の水棲ガメとリクガメを飼育・繁殖しています。 the TurtleRoom.comで畜産部門のディレクターを務める彼は、ニシヘルマンリクガメのアメリカ一番のコレクターとしても知られていて、ノースアメリカン・リージョナル・スタッドブックという、馬でいう血糖管理団体の、ニシヘルマンリクガメ部門のコーディネーターも務めているほどです。

        彼の活動は非常に多彩で、地域の動物園への協力や、Reptiles MagazineやThe Reptile Reportなどの業界紙への執筆、リクガメのDNA調査、各種保護団体でのカメの保護活動、などを行っています。

         

        彼が繁殖しているリクガメは、ソリガメ、エジプト、ヒョウモン、キレナイカ、ビルマホシガメ、インドホシガメ、ビルマムツアシガメ、ゴーファーガメ、ガラパゴスゾウガメ、アカアシガメ、ホウシャガメ、アルダブラゾウガメ、クモノスガメ、ニシヘルマン、東ヘルマン、マルギナータ、ゴールデンギリシャ、ロシアリクガメなどです。

        アジアと北アメリカ、メキシコを中心としたハコガメ、イシガメを飼育しているようです。水棲ガメには詳しくないので、気になる方は、こちらからご確認下さい。

         

        彼の繁殖技術の高さは、ビルマホシガメの「孵化温度と性決定」(海外の実践例)でも紹介した通りです。ニシヘルマンリクガメについても、生息地毎に孵卵方法(性別決定)が異なるようで、日本のニシヘルマンリクガメ・ブリーダーの方々にも是非知って頂きたいです。

         

        彼の素晴らしさの一つは、繁殖技術確立への情熱にあり、常に自身の方法を見直し刷新し、それを広く公開するところにあると思います。こうした姿勢はなかなかできるものではないので、私が繁殖に成功した場合は、よりオープンにしていきたいと思っています。

         

        さて、この記事で紹介したいのは、彼の技術だけでなく、スケールの大きさです。

        初めて見たとき、正直、唖然としました。日本ではなかなか実現できないスケールだと思います。

        では、見ていきましょう。

         

        まずは、モリイシガメの飼育場(建設中)です。

         

        Winter morning view of the half-way completed new North American wood turtle basin and stream. Luckily we finished enough of it to be able to put the turtles in right away so they could enter hibernation uninterrupted, but there is still much to do. The stream is not filled or running yet, slates and boulders are still being added along with more stone from the Delaware (exposed liner in some spots can still be seen) and plants won't be seen until spring. This should still showcase a good idea of what this over 2,500 square foot oasis for them will be. Believe it or not, the turtles are sound asleep in the deepest part of the basin as I film this. Providing for our animals is the most rewarding part of this crazy job. I. Am. Tired. #turtlesurvival #_iliketurtles #turtlepics #woodturtle #glyptemysinsculpta #gardenstatetortoise #theturtleroom #turtlEd #dedication #turtles #insta_turtle_addicts #_iliketurtles #tortoiseforum

        Chris Leoneさん(@garden_state_tortoise)がシェアした投稿 -

        正直、なんじゃこりゃです。

        人工池を作って、ファンで風も再現しています。

        広大な土地を所有しているからできるのでしょうけれども、土地があっても普通は考えませんよ。

        カメに対する愛情でしょう。

        お次はハコガメ。

        日本でもハコガメを屋外飼育している方がいるようですが、注目したいのは、飼育場の広さ。

        手前側が柵なのはわかりますが、奥が見えません。どこまでが飼育場なのでしょう・・・。

        もちろん、混種などしていないでしょうし。

        アメリカンスケールですね。

         

        そして、我がアイドルアカアシガメの飼育場!

        素晴らしいじゃないですか。他のカメに比べてそれほど広くありませんが(それでも相当広いと思います。ノーマルのアカアシガメのアダルトサイズがこれだけいて、狭く感じないのですから)、泥にまみれて健康に育っているアカアシガメ。

        この半分でいいので、将来的に再現したいですね。

         

        すごく立派というか、ダースベーダーのヘルメットのような甲羅のアカアシガメです。

        どうしたこれほど黒くなる?というくらい黒いです。

        濡れているから艶やかですが、「アカアシガメ〈ウルトラ・マット・ブラック〉」ですね。

        ノーマルタイプのアカアシガメがこれほど格好良いことが知られたら、人気が出てしまうでしょうね。

        皆様、ここだけの秘密ですよ。

         

        ここからは、「いい顔」をしているカメたちをピックアップします。

        広大な敷地でのびのびと育つカメ。いい顔してますよね。

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

        このマルギナータは1970年代にアメリカに来たらしいですよ。

        約50年物です!

        見て下さい、この醸し出す雰囲気を。

        我々が想像するマルギナータではないです。ゾウガメのような貫禄があります。

        格好良いとしか表現しようのないカメです。

         

         

        皆様も屋外飼育をしたくなりましたか?

        ケージ飼育では何年経っても見られないカメたちの表情、フォルム、貫禄がありますよね。

        カメの愛で方は色々ありますが、多少甲羅がボコボコしていても、四肢が強靱で、表情が引き締まって、これでもかというぐらい太陽光を浴びているカメの方が、私は魅力的に感じます。

        もっとも、住宅事情もありますし、カメだけのために土地を買うなんてことは普通の人にはできませんから(冷や汗)、庭付き・飼育場付きの条件を満たすこと自体難しいでしょうが、ベランダに出したり、野草を一緒に探しに行って散歩させたり、工夫次第でできることは沢山あるのではないかと思います。

         

        流石に、ここまでとは言いませんが、より広々とした飼育場で育てたい、と改めて思うようになりました。

         

        クリス氏、ブログでの紹介を許可してくれて、どうもありがとう!!!

        気になるカメがいましたら、是非クリス氏のウェブサイトに訪ねてください。

        http://www.gardenstatetortoise.com/

         

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        リクガメの記憶力と近年の研究動向

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          この記事では、リクガメを使った動物学の記憶研究の動向と、最新研究を紹介したい。

           

          まず、動物学でリクガメが研究されるようになった背景を説明し、次に近年の研究動向を紹介する。その後、動物学者の福岡伸一氏の記事を手がかりに、リクガメの記憶遺伝についても、ほんの少し考えてみたい。

          リクガメの動物行動学の研究は、主にアカアシガメが使われているため、アカアシキーパーは少しテンションが高まる内容かも知れない。

           

          動物学とリクガメ研究

          より良い理解のために、最初に、簡単に動物学について説明する。

           

          動物学は、古代ギリシャのアリストテレスを祖とする生物学の一分野で、ヒト以外の動物の観測をベースに発展してきた学問といわれている。

          哲学者の名前を出すと身構えてしまう方もいるかもしれないが、我々の周囲のあらゆる学問は、古代ギリシャのプラトンとアリストテレスの哲学の派生としてきて生まれてきたもので、「神が創造した世界」の一端をどう理解するかが出発点となっている。

          プラトンは、特殊な才能・能力のある者のみが理性を使って世界の本質を知ることができると考えたのに対し、アリストテレスは、特殊な能力がなくとも、観測・観察を通して、神の創造する世界の一端を知ることができると考えた。

           

          生物学だけでなく、物理学や経済学など、目に見えない本質を前提としない、観測・観察をベースとするあらゆる学問は、アリストテレスの哲学から派生してきた。

          学問が古代ギリシャの哲学、「神が創造する世界」の理解から出発した証拠として、英語圏では神学と法学、医学を除く学問の博士号のことをPh.D.(Doctor of Philosophy)、哲学の博士と呼んでいる。

           

          ちなみに、哲学というと、精神と命を削りながら研究するイメージを持つ方もいるかもしれないが、それは20世紀の学者(ニーチェなど)のイメージで、名誉と経済的成功を求めているからの苦悶・葛藤であって、旧来の哲学・政治思想は、世俗から切り離されたお坊さんの学問である。名誉と経済的大成功のために精神と命を削り苦闘するお坊さんを、みなさんは見たことはないはずである。

           

          さて、観測をベースに発展した生物学が、動物の規則的な習慣を研究するのはいわば必然で、ラテン語のethos(エートス、習慣)の学問として、エソロジー(ethology)、日本語名で動物行動学が確立した。

          刺激を受けたあと個体の反応(反射)、行動の由来(本能か学習か)、個体の他個体への影響(社会行動)など、動物のあらゆる行動を観測し、動物の理解に向けた研究が行われてきた。

          京都大学の霊長類研究所のチンパンジーの知能実験がしばしば報道されるが、動物の知的能力の研究は、こうした動物行動学の進展とともに行われるようになったのである。

           

          動物行動学でリクガメが研究されるようになったのは、主に2000年代になってからである。

          欧米のアカデミズムの世界では、論文数が出世の評価指標なのだが、リクガメを対象とする研究者が誰もいなかったために、誰かが目をつけたのだろう。

          グローバル化の進展とともに、世界中の研究者が大学のポストを求めて出世競争をするようになった。競合研究者が多く論文を量産しにくいチンパンジーやネズミ、イヌではなく、リクガメに活路を求めた研究者が出てきたのだと考えられる。

           

          アカアシガメが実験動物に採用された理由を一言で言ってしまえば、最初の研究者が使用したからだと思われる。

          新規開拓分野は研究が評価されにくいので、先行研究がある分野で研究が蓄積されていくことは、動物行動学に限らず、よくあることである。

           

           

          リクガメの記憶研究の近年の動向

          一言でいってしまえば、約50年前に主流だった、視覚情報と短期記憶、長期記憶の研究が、アカアシリクガメを対象に行われている。ある程度成長した繁殖個体を訓練し(動物に限らず、学習能力を観測する研究では、真っさらな状態が基本)、学習した記憶を頼りに行動するかを実験するもので、今日ではほとんど顧みられない、基礎研究といってもよいだろう。

           

          そうはいっても、研究としての価値がないわけではなく、カメの記憶・知能の解明には非常に重要な研究である。

          2017年1月に『BIOLOGY LETTERS』に発表されたアメリカのリンカーン大学のFrancesca Soldati氏の研究チームによる「Long-term memory of relative reward values」では、貰える餌の大小と嗜好性を、視覚情報と関連させて学習させると、18ヶ月後も、学習した視覚情報を頼りに行動することが明らかにされている。

          この研究は現在も継続中で、最新動向をいち早く知らせるLetterという形で発表されており、今後の進展が楽しみである。

           

          最新の記憶研究とはあまりにもかけ離れているために、日本の若手研究者は見向きもしないかもしれないが、カメに関心があり、研究業績を残しやすい点では、よい研究対象かもしれない。

          もっとも、理学分野の場合、基本的にユニットで研究をするため、そのような選択の自由はないと言われるかもしれないが、世界の権威になるには競合研究者がいない道に進むのも、一つの手段である。

           

           

          記憶と遺伝について

          2014年の記事だが、動物学者の福岡伸一氏の「記憶と遺伝」の記事は、カメの知能と進化の歴史を考える上で、非常に興味深い。

           

          この記事のアメリカのエモリー大学の研究チームが解明した事実によると、ネズミに覚えさせた危機体験は、子世代に遺伝はしないものの、同危機に対しより敏感になり、すぐに学習するようになるらしい。

          それは、2014年時の生命科学のトレンドだったエピジェネティクスによるもので、DNAの働きを調整する情報がDNA情報には含まれており、それが受け継がれるからだそうだ。

           

          DNAの調整情報が遺伝蓄積されることは驚きで、知能が優れていない生き物が危機を回避出来る理由も、このエピジェネティクスから説明できそうである。

          アカアシガメの長期記憶が、私たちの思っている以上に優れていたとしても、優れた知能があるとは言い切れない部分がある。そんなカメが長い間生き残ってきた理由は、エピジェネティックによって、危機に対する学習能力が優れているからではないだろうか。

          もっとも、その蓄積情報量がどの程度なのか、学習量・危機経験が多いと孫の代の学習能力は更に高まるのか、未解明の部分が多いが、想像すると少し楽しくなるのは私だけではないだろう。

          エピジェネティクスの最新研究動向は未調査なので、関心のある方はご自身で調べて頂きたい。

           

          次回の記事では、アメリカのカメのトップブリーダーを紹介したい。

           

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          JUGEMテーマ:カメ全


          ビルマホシガメの「孵化温度と性決定」(海外の実践例)

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            この記事は、ビルマホシガメの孵化温度と性決定について、海外ブリーダーの実践技術を紹介する。

            まずはじめに、繁殖における孵化温度と性決定について説明し、次にビルマホシガメの雌の入手困難と集団感染死のリスクについて言及し、最後に海外のブリーダーの孵化技術を紹介したい。

             

             

            繁殖における孵化温度と性決定

            まず「孵化温度による性決定」について説明したい。

            爬虫類の子供の性決定と孵化時の環境温度の関係は、1960年代後半から研究者の間で議論され、近年までの研究蓄積の結果、「孵化時の環境温度によって爬虫類の子供の性別が決定する」ことが定説となっている。

            (森リクガメ研究所では1990年代までの研究動向が日本語で整理されている「温度による性決定(TSD)PART(1))」。その後の研究動向はKarla T. Moeller氏の2013年の研究ノート「Temperature-Dependent Sex Determination in Reptiles」が詳しい)。

             

            こんにちの海外のブリーダーや動物園の間では、「孵化温度による性決定」は繁殖技術の一つとして採用され、その試行錯誤・実験の結果が専門誌やウェブサイト上で公開されている。今回は、ビルマホシガメの孵化実践例を紹介するが、STAR TORTOISE.NETでは、インドホシガメの実践例も多数掲載されている。関心のある方は、訪れて貰いたい。

             

             

            国内CB雌個体の入手困難と感染症による集団感染死のリスク

            次に、ビルマホシガメの雌の入手困難についてである。

            ビルマホシガメの輸入規制以降、コンスタントに国内繁殖個体が供給されているが、これらの国内CB個体から繁殖をねらう新規飼育者が抱える共通の問題が、雌を確保できないことである。

            現在、リクガメの中では高値で取引されるビルマホシガメを何匹も購入している方の中には、成長と共に判別する購入個体の性別が「すべて雄」の方も珍しくない。1匹20万ほどするカメを4、5匹購入し、数年後すべて雄であることが判明したときの思いは、心中をお察しするに余りある。

             

            「雌の入手困難」は、単に「悲劇」として片付けられる問題ではなく、国内CB個体の将来的な安定供給にとって深刻な問題で、現在のブリーダーや繁殖・販売業者が保有する雌が、万が一病気や感染症で著しく減少した場合、CB個体の供給が途絶える可能性を示唆しているのである。

             

            ビルマホシガメのブリーダーや飼育者がご存じかはわからないが、ビルマホシガメは感染症の一種であるラナウイルスのキャリアで、何らかの原因で発症した場合、他の両棲爬虫類を巻き込む集団感染が生じる可能性がある(Rachel E. Marschang, Virus infecting Reptils,. 2011 Nov; 3(11): 2087–2126. 「アメリカにおける野生下および飼育下のハコガメ・リクガメ類のラナウイルス感染」(環境省自然環境局野生動物課『平成20年度 カエルツボカビ実態把握調査検討報告書』所収、54頁)宇根有美「両生類のラナウイルス感染」『モダンメディア』2009年55巻7号。)。

             

            ラナウイルスは、ヘルペスウイルス同様、治療方法がない感染症で、壊死性の口内炎、食道炎、内臓の壊死により短期間に死に至る感染症である。とくに、国内CBでない個体は、未発症状態のラナウイルスのキャリアの可能性もあり、集団感染死のリスクが常にあるのである。

            これは異種混合飼育への警鐘だけでなく、将来的な国内のビルマホシガメの「種の保存」とも関係するものだと私は考えている。

             

            したがって、将来的な国内CBの安定供給のためにも、ブリーダーや繁殖・販売業者が雌の作出に成功し、ブリーディング意欲のある方の元へ、CB雌個体が届くことが望まれる。

            コンスタントな繁殖は、種と飼育個体に対する惜しみない愛情を前提に、多大な労力を必要とするため、容易にできるものではないと思われる。結婚、出産、転居、病気など、人生の転機で継続が難しくなることは容易に想像される。

            ブリーディング意欲がある方のもとに繁殖をねらえる雌雄個体が届くことが、将来的なビルマホシガメの「種の保存」に繋がると考えられるのである。

             

             

            海外の「雌個体作出」をねらった繁殖実践例

            ビルマホシガメの雌の作出は、コツがいるようで、海外のブリーダーも試行錯誤を重ねている。

            共通している点は、加温前に「冷却期間(休眠期間)」を設けていること、加温時の高めの温度設定である。

            以下、STAR TORTOISE.NETで整理されている公刊物(論文、雑誌、ウェブサイト)に記載されたブリーダーらの実践例を、日本語で紹介する。


            1.Jerry D. Fifet氏と Drew Rheinhardt氏による実践例

             

             ・産卵後の卵を、23.9-26.1度の部屋に一週間置く。

             ・その後30日間、18.3-21.1度で冷却する。

             ・冷却期間後、室温で一週間管理。

             ・その後にインキュベーターの中に入れ、27.8-31.7度で加温する。

             低温は雄、高温は雌が、およそ90日後に生まれる。

             

            (『The Batagur』2013年3号)

             

            2.Gerald Kuchling氏、Eric Goode氏、Peter Praschag氏による実践例

             

             ・バーミキュライトを半分の重さの水で湿らせる(バーミキュライト:水=2:1)。

             ・産卵後6-8週間、室温で休眠させる。

              部屋の温度は21-28度だが、自然な気温の上下に任せている。

             ・休眠期間の後、28.9度もしくは30度に設定したインキュベーターで加温する。

              およそ115-124日後に孵化する。

             ・28.9度で加温した場合、雄:雌は9:1に、30度の場合は、5:4.7になる。

             

            (Endoscopic Imaging of Gonads, Sex Ratio and Temperature Dependent Sex Determination in Captive Bred Juvenile Burmese Star Tortoises Geochelone platynota, Asian Herpetological Research, 2011, 2[4]:240-244に記載。)

             

            3. Chris Leone氏(ソリガメの記事で紹介したブリーダー)

             

             ・デリカップ(プラスティック容器)に乾燥したバーミキュライトを入れ、卵を入れて蓋をし、18.3度、湿度70-80%で30日間冷却する。蓋には通気穴をいくつかあけておく。

             ・その後、湿ったバーミキュライトが入ったデリカップに卵を移し(バーミキュライト:水=1:1)、蓋をし(この蓋にも通気穴をあけておく)、湿度80-90%、温度30-32度に設定されたインキュベーターで加温する。88-122日で孵化する。

             

            GardenStateTortoise.com。『Reptailes Magazine』2016年11・12月号)

             

             

            以上、「孵化温度による性決定」と「国内CB雌個体の入手困難と感染症による集団感染死のリスク」、海外の「雌個体作出」をねらった繁殖技術を紹介した。

             

            ビルマホシガメを飼育し、愛好し、繁殖を考えてCB個体を集める私にとっても、「CB雌個体」の流通は大きな問題であるが、ヘルペスウイルスによる集団感染死の経験があるため、ラナウイルスへの危機感を持っている。

            海外ブリーダーの繁殖技術の公開・普及を望まないブリーダーもいるかもしれないが、ビルマホシガメが今後も日本国内において飼育できる環境を整えることも、愛好家の責務だと考え記事にした。

             

            ビルマホシガメ飼育者の方々には、この記事をできるだけ色々な方に広めて頂きたいと思う。

            また他のリクガメの飼育者であっても、ビルマホシガメを飼育している知人・友人へ伝えて頂きたい。

            ビルマホシガメの繁殖技術の全体的な底上げが、将来的な「種の保存」へと繋がることを、私は確信している。

             

             

             

            代表的な模索例は以上の3者の実践例だが、「雌作出」と関係ない事例も多数あるため、本記事の最後に翻訳・要約したものを記しておく。

            「雌作出」以外の繁殖実践例。

            Ken Siffert氏(Tortoise Forum、2014年3月)

             ・30日間、18.3度で休眠させる。

             ・その後、インキュベーターで29.4−31.7度で加温する。30度で加温した場合、性別比が1:1になる。

             ・31.7度の場合、雌が生まれるが、多甲にもなりうる。

             ・バーミキュライト:水=1:1。

             

            Toronto Zoo, Canada(Torontozoo.com、2016年8月

            この動物園は、過去二回繁殖に成功。「雌作出」は行っていない。

             ・休眠のために、産まれた卵を18-20度で、4週間冷却する。

             ・その後28-30度でインキュベーターで加温する。生まれてから135-230日で孵化する。

             

            Wildlife Conservation Society's Wildlife Survival Center(TSA newsletter、2003年8月)

            野生動物保護団体の孵化事例。

             ・21.1度(70℉)の部屋で38-40日間、乾燥したバーミキュライトに置いておく。

             ・その後、28.9度(84℉)に設定されたインキュベーターにうつし、108-116日加温する。

             

            San Diego Zoo(TSA newsletter、2008年8月)

             ・生まれてから一ヶ月間、18度で管理する。

             ・その後、30度に設定されたインキュベーターにうつし加温、128-135日で孵化する。

             

            参考文献

            STAR TORTOISE.NET http://startortoises.net/incubation.html[accessed May 19th, 2017]

             

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            ソリガメの飼育方法(動画つき)(a habitat of an Angulate Tortoise)

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                今回は飼育困難種のソリガメについて、生息環境および飼育方法を見ていきたい。

              まず、野生のソリガメを観察し、生息環境について整理する。その後、海外のブリーダーのソリガメの管理方法から学んでいきたい。

               

              では、野生のソリガメ観察に出かけてみよう。

              彼らの生息地は、アフリカ大陸の南アフリカ海岸部だ。

              出典 BBC's Life in Cold Blood documentary series globalzoo

               

              この動画では海辺に生息するソリガメが紹介されている。

              カメ目線のカメラはとても面白い。

              バイオロギン(biologging)という研究手法で、近年の野生動物調査のスタンダードになりつつあるようだ。

               

              この動画から印象的なのは、強い浜風、ミネラル分を多く含んだ土壌、太陽の日差しと反射熱。

              Els, SF氏の1989年のソリガメの生態調査をテーマとした博士論文での指摘もあるが、この地域は、日の出と共に気温が急上昇するため、ソリガメにはリクガメによく見られるバスキング行動が観察できないようである。

              午前中は小さなブッシュで暑さを凌ぎつつ行動し、午後に少し気温が下がると、ソリガメにとって快適な時間がやってくる。

              実に興味深い変わった気候で、それに即した行動である。

               

              そして、乾燥した大地で実にアクティブに動くソリガメ。

              じっとしている様子しか見たことがない私にとって衝撃的で、まるで発情期のギリシャリクガメでも見ているかのようである。提供環境次第では、ここまでこのカメの魅力を引き出すことも可能なのである。

               

              さて、ソリガメの生息環境であるが、氏によると、南アフリカ南西部地域からナミビア南西部にかけてで、下図の地域と考えられている。

               

              図 ソリガメ生息分布図

              出典   Chersina angulata (Schweigger 1812) – Angulate Tortoise, South African Bowsprit Tortoise[accessed May 13th, 2017]

               

              赤が「1992年のIversonの研究で旧生息地とされた場所」、グリーンがコンピュータの情報システムから算出した生息分布である。

               

              つづいて、この生息分布と気候情報を比較したい。

              なお、地形については、飼育者本人の手で調べて頂きたい。土作りにまで拘る方は、A short guide to the soils of South Africaなどを参考にしていただきたい。国内CBの安定的な流通のない飼育困難種であり、飼育・繁殖成功の秘訣の一つが、土壌も含めた環境作りにあるとするならば、やらない手はない。

               

              図 南アフリカ気候区分

              南アフリカ気候区分地図南アフリカ地図

              出典 旅行のとも、ZenTech アフリカの気温 [accessed May 13th, 2017]

               

              生息適応環境は広範囲だが、今回は、南アフリカの「風の街」ポート・エリザベス(西岸海洋性気候)とケープ・タウン(地中海性気候)の気候情報を掲載する。

               

              図 ポート・エリザベスの気候情報

              Average min and max temperatures in Port Elizabeth, South Africa   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

              Average monthly sunhours in Port Elizabeth, South Africa   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

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              出典 World Weather and Climate Information Climate Port Elizabeth [accessed May 13th, 2017]

               

              図 ケープ・タウンの気候情報

              Average min and max temperatures in Cape Town, South Africa   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

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              出典 World Weather and Climate Information Climate Cape Town [accessed May 13th, 2017]

               

              見て頂ければわかるように、暑さにも寒さにも非常に強い種だということがわかる。

              そして、飼育者が注目すべきは、「風」である。

              高湿度の環境か、高温の環境か、どちらがソリガメの飼育に適しているか意見が分かれているようだが、もしも長期飼育の成功例が少ないならば、大切なこの自然再現が欠落しているからかもしれない。また、繁殖を視野に入れるならば、温度差も関係してくるかもしれない。

              これらは、あくまで仮説である。

              初夏から湿度が高くなる日本では、高すぎる湿度の除去がエキゾチック・アニマルの飼育の秘訣になることがあるからだ。

               

              ソリガメの飼育がなぜ難しいのか。

              様々な理由があるだろうが、そのひとつに、「基本設定」で飼育できないことにあると思われる。

              リクガメの多くの種類は、飼育書に記載された基本設定で飼育することができる。繁殖などを目指さなければ、下手に弄る必要もない。

              飼育困難種とは、こうした「基本設定」では死んでしまう種で、「基本設定」をベースに個体の些細な状態変化を見ながらの調整が求められる。そこでは、個体に関する基礎・関連情報(気候、高度・気圧、地質、植生など)をもとにした、飼育者ならではの工夫が必要となる。

              これは、生き物を飼うセンスがある人が、偶然にコツを掴むか、日々の観察を重ねる人にしかできないことだろう(日々の観察とは、過干渉で個体にストレスを与えることとは異なるので注意。)。

              顔(眼)の表情、動き方、呼吸の深さ、舌の色、便の様子など、観察ポイントは多数あるが、これらを総合して「このままではヤバイ」という観察をもとにした直感がどこかで働くのだろう。

               

              これはあくまでも私の仮説であるが、「空気の籠もる高湿度(ケージと部屋も含め)」を避ければ、どうにか生きると思われる。ケープ・タウン、ポート・エリザベスの沿岸部は、海の側であるが故に湿度は高いが、一年を通して風が強く、地表の湿度はそこまで高くないだろう(一般的に、湿度の計測地点は人間の高さ)。

              密閉した飼育ケージは、この種にとって空気が悪く、ストレスがかかる環境だと思われるのである。

              これは仮説であり、私が飼うならばの話である。

              もっとも、私がこの個体を飼育する場合は、更なる情報収集と海外ブリーダーとの意見交換、器材の購入など、落とさないための最大限の努力をすると思われる。

               

              以下は、アメリカのあるブリーダーの飼育環境である。飼育方法の研究目的に写真を引用したい。

              このブリーダーは、広大な敷地で各種のカメ(リク・ミズ)の飼育環境を再現し、繁殖に成功しているが、エジプトリクガメとソリガメ、キレナイカ・ギリシャリクガメだけは、室内で飼育している。

              感の良い方はわかるだろうが、その理由は空調管理ができるからである。

               

              ケージ内の地表は乾燥させ、ブッシュを用意して個体にストレスを感じさせないように工夫がされている。

              このブッシュは造花のようだが、こうした環境の提供も、自然下の個体情報から得たものであるのは間違いない。

              最初の動画からもかわるように、活動時間以外はブッシュの中で暑さを凌いでいるからだ。

               

              午後には人工的に雨を降らせている。

              これはおそらく、生息地での彼らの行動パターンと気候情報から考えられたもので、ケージ内の温度をとても高温に保つことで午前中の高温を、人工的な短時間の雨を降らせることで午後のクールダウン(彼らがもっとも過ごしやすい状態)を再現しているのだろう。

              飼育室内は湿度を低く設定していると考えられ、天井からのファンで空気を籠もりにくくし、人工雨の後もケージ内に湿気が籠もらず、地面が短時間に乾くように工夫してあると思われる。

              このブリーダーは何匹かのソリガメの繁殖に成功しており、徹底した観察と細やかな環境再現の賜だろう。

               

              生息環境リサーチシリーズであるが、今回をもって一端終了する。

              リサーチの方法は提示できたと思うので、ここからは飼育者の「愛情」で個体のために調べて頂きたい。

              現在のもっぱらの関心は、尿酸結石のメカニズムと予防、甲羅のピラミッティングのメカニズムのリサーチで、前者は野生の陸亀のカリウムの摂取量、後者は皮膚と捉えることで考察範囲が広がると考えている。

               

               

              最後に回復したベビーの飼育環境を記述したい。

              最近導入したビルマホシガメのベビー(生後約6ヶ月、115g)だが、飼育環境は昼夜28度で温度差もなく、1日2回の温浴後の食事と、「基本設定」に忠実なものである(ブリーダーの繁殖・日々の管理資料があるので、給餌内容はそれを参考にしている)。

              60cm水槽の上部を濡れタオルで覆い(朝晩交換)、中には水気を良く切ったタオルを敷き(メンテナンスのしやすさと清潔さを保つため)、広めの水場を設置、ライトは保温球とバスキングライト(27w)である。

              本来ならば紫外線灯を常時点灯させるが、毎朝の30分から1時間(糞と尿酸が排出されるまで)の温浴中と、週に数日自宅で仕事する際の私の40分の昼食中に、日光浴をさせて代替している。

              私の屋外飼育歴が長く、太陽光の方が甲羅が暖まり、かつ代謝も上がることを知っているためで、ケージ内飼育中心の方は、成長と血行不良を避けるため、必ず設置すべきだろう。

              紫外線は単に成長だけでなく、体温の上昇による血行促進と摂取物の消化にも役立つ(理由はわからないが、保温器具の熱だけでは生体の体温が上がらない。曇りの日でも一日外にいたカメの甲羅は日が沈んでからもとても温かい)。

               

              個体の様子だが、毎日半日ほど歩き回り、野草と水分多めの野菜(トマト、レタス)を中心によく食べ(ツツジの花弁は与えないように!)、日光浴させる日は壊れたオモチャのように歩き回っている。

              有毒植物を与えなければ状態は抜群で、成長が楽しみである。

              これから爬虫類のイベントが多く、新たな飼育者が増えると思われるので、最後に記載した。

               

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              リクガメの毒草誤飲と処置事例

              0

                この記事では、毒草誤飲による中毒症状とその後の対処、経過観察について報告する。

                拙宅にはブログで紹介していないベビーサイズのリクガメがおり、この個体が毒性植物を誤食し、中毒症状を発症した。現在経過観察中で予断を許さない状況であるが、他のリクガメ飼育者のリスク軽減のため記事にしたい。

                 

                (2017年5月13日追記。数日間のリハビリ給餌(湯むきしたトマトやレタスをごく少量)の後、健康な排泄を確認。発祥以前の運動量に戻ったため、処置に成功、回復したと思われる。失敗談として読んで下さい。)

                 

                まず、身近な毒草について整理したい。

                われわれの身の回りには、人間が誤って摂取すると最悪の場合死に至る、自然毒を持つ植物が数多くある。

                厚生労働省が「食中毒予防」として紹介している植物は、以下の通りである。

                 

                アジサイ、アマチャ、イヌサフラン、カロライナジャスミン、グロリオサ、クワズイモ、ジギリタス、ジャガイモ、シャクナゲ、スイセン、スノーフレーク、タマスダレ、チョウセンアサガオ、テンナンショウ類、ドクゼリ、ドクニンジン、トリカブト類、バイケイソウ類、ハシリドコロ、ヒメザゼンソウ、ベニバナインゲン、ユウガオ、ヨウシュヤマゴボウ。

                 

                以上の写真については、厚労省のサイトで直接確認して欲しい。

                あえて名前を列挙した理由は、この植物をリクガメが誤食し、中毒症状を発症した際に、毒素の特定が処置の可否を左右すためである。人間にも害をなす植物の毒素情報が厚労省から得られることを覚えていてほしい。

                過去50年間の植物による人間の食中毒事例の調査報告も、念のため紹介しておく。登田美桜・畝山智香子・春日文子「過去50年間のわが国の高等植物による食中毒事例の傾向」『食衛誌』2014年 Vo.55 No.1。)

                 

                 

                また、人間に害を及ぼさなくとも、動物に害を及ぼす植物は多い。

                リクガメの飼育情報を掲載している「THE TORTOISE」では、以下の有毒植物と毒性成分を紹介している。

                 

                出典 THE TORTOISE 有毒植物と呼ばれる毒性成分と特徴 [accessed May 11th, 2017]

                 

                ここで紹介されているのは、厚労省紹介の植物も含む、「リクガメが食した場合、中毒症状を発症する可能性がある植物」で、必ずしもというわけではない。中毒は症例報告ベースのため、本当にリクガメに害を及ぼすか、正確にはわからない。

                 

                もっとも、これは犬猫にも言えることで、猫が食した場合に中毒症状を発症する可能性がある植物は、非常に多い。「猫にとって危険な植物」を紹介しているブログがあったので、関心がある方は訪問して頂きたい。

                キンポウゲ科、ツツジ科、トウダイグサ科、ナス科、バラ科、ユリ科など多岐にわたり、紹介植物には、公園や道ばたで見かけるもの、観葉植物として人気なもの、花束としてプレゼントされるもの、などが多数含まれている。

                以下、代表的なものを記述する。

                 

                アヤメ、イチョウ、オシロイバナ、マーガレット、クリスマスローズ、アボカド(未成熟の果実、種子の中身)、イチジク(枝、葉)、ワラビ、シクラメン、ザクロ(樹皮、根皮)、ポトス、モンステラ、セダン、ソテツ、つつじ、ナス(芽、葉)、トマト(葉、茎)、ホオズキ(種子)、アンズ・ウメ・スモモ・モモ・リンゴ(未成熟の果実、種子の中身)、アサガオ、アセビ、ツタ、フジ、チューリップ(鱗球)、タマネギ(鱗茎)、ヒヤシンス、アロエ、ドラゼナ(幸福の木)などなど。

                 

                猫が食べると中毒症状を発症するが、犬では発症しないなど、未解明の部分が多い。

                リクガメ飼育者は、動物にとって危険な植物が沢山あり、カメが食した場合に中毒症状を発症する可能性を頭に入れておくべきだろう。

                (この他にもエンドウ豆、オニドコロ、ガガイモ、クレマチス、月桂樹、コナラ、サトイモ、サクラ(樹皮、枝、葉、種)、シャクナゲ、ジギタリス、ツクシ、パンジー、ヒガンバナ、ヒヤシンス、モロヘイヤ(種子)、ヤツデなどには、弱毒性成分が含まれており、摂取量によっては問題が生じる可能性がある。)

                以上、身近な毒草について整理した。

                 

                 

                次に、保有個体の中毒症状を発症の経緯と、その後の処置、経過をまとめる。

                [経緯]

                飼育者の知識不足により、ツツジの花弁をリクガメに与えてしまった。

                 

                給餌内容は、野草ベースで、タンポポ、ノゲシ、ヤブガラシ、オオバコ、アカツメグサ、桑の葉などで、これらを細かく刻み、食いつきが悪い日は、フード1粒を潰したペーストやトマトを和え、食への関心を促していた。

                ツツジの花弁を与えた理由は、飼育経験から来た油断で、屋外飼育経験からこれまでの個体は有毒植物を食さない(口にした後、すぐに口から吐き出す)傾向にあったことから、「個体に合わないものは食べない」という思い込みがあった。

                当時、個体の食いムラが気になり、アカツメ草の花弁を食した後に、他の野草サラダを食べはじめていたことから、「身近な安全そうな赤い花」を飼育者が無意識に求めていたこともあった。

                 

                [症状の発症]

                ツツジの摂取時間は、朝のバスキングライト点灯後7:00〜8:00。9:00〜9:30に温浴、その後も活発に動いていたが、10時頃に吐瀉音が聞こえた。ツツジの花弁と未消化の野草サラダが確認された。

                 

                [嘔吐後の応急処置](この処置が正しいかは不明)

                嘔吐の際に体内水分を失った可能性があるため、ポカリスエットを数滴入れた35度のお湯で温浴を2分ほど行った。

                その後、飼育ケージの温度を30度まで上げ、休ませることに努めた。

                自ら移動して水場に浸かり、時々水を飲んでいるようだった(ケージ内の水もポカリスエット小さじ1を希釈した)。

                 

                [その後の容体]

                水場の中を多少移動するが、歩行は不安定。甲羅から顔を殆ど出さない状態でだった。

                嘔吐から4時間後、眼球の充血が進み、時々口を開けて呼吸、手足にほとんど力が入らない状態だった。

                この間、ツツジについて調べ、含有毒素が呼吸中枢麻痺の症状を引き起こすことを確認。

                嘔吐から4時間半後、爬虫類を診察可能な動物病院行くことを決断した。

                 

                [動物病院の診察]

                動物病院の一般的な処置では、こうしたケースは「異物誤飲」に該当するとのこと(アニコムホールディングス[犬、猫の誤飲:傾向と対策]で、観賞用植物の誤飲が説明されている)。

                中毒症状の解毒等の治験データはほとんどなく、有毒植物への対処はほとんどないらしい。

                猫がユリを食して中毒症状を発症することは有名だが、実際の発症は個体差があり、また給餌内容の複雑さ、他の病状の可能性などから、中毒症状を疑うに至らないケースがほとんどらしい。担当医が以前猫を処置し、残念ながら命を落としたため、有毒植物による中毒の記憶があったとのこと。

                 

                私が個人的に調べた「山羊のレンゲツツジ中毒の治療と予防法」(酒井義正・渡辺昇『日本獣医師会雑誌』1956年 Vol.9 No.9)の論文に、主な有毒成分と虚脱麻痺した山羊が全頭治癒にいたる治療手順、使用薬物が記載されていた(馬酔木(アセビ)による羊の死亡例の論文はこちら)。

                これを担当医に見せ、かなり古い論文ではあるが治癒に至っているため、手立てがないならば参考にして欲しいともお願いした。

                もっとも、この論文には安楽死に使う薬物も使用されていたため、ほとんど参考ならなかったと思われる。

                 

                [動物病院の処置]

                「異物誤飲」で行う「胃の洗浄」と「有毒物質の吸着に効果のある炭(墨汁のようなもの)の注入」をしてもらった。ベビーサイズのリクガメの胃洗浄は、胃の粘膜を傷つける可能性があるため難しいようだが、鮮やかな処置だった。

                 

                胃への炭の注入後、嘔吐までの経緯、食べ過ぎの可能性等々を再度問診され、嘔吐による疲弊の症状の可能性もあるが、ツツジによる中毒症状の可能性も捨てきれないため、アンドロメドトキシンに拮抗もしくは無毒化する薬物である、過マンガン酸カリウム液を前足付け根から注射してもらった。

                本来ならば脊髄注射を行いたいが(薬物の経口摂取は吸収過程で一部分解されるため)、ベビーサイズでできなかった。

                 

                [その後のリクガメの様子]

                ケージ内を30度、高湿度に保ち、全面を新聞で覆って安静にさせた。

                24時間は寝ていたようだが、その後活動をはじめたようで、水分(ポカリスエット入り)を摂取する姿も確認された。

                まだ日が浅いため、ポカリスエットを希釈した水しか摂取していないが、3日以降にレタスやトマトを給餌予定である。

                 

                 

                最後に、今回の失敗からの教訓。

                1.野草中心の給餌、公園の散歩、屋外飼育をする場合は、身近な有毒植物について学ぶ必要があること。

                中毒症状発症における種類・個体差、発症に至るまでの体重当たりの摂取量など、不明な点ばかりであるが、最低限の知識があることで、私のようなミスを犯さなくて済むと思われる。

                 

                2.有毒植物の知識の有無により、誤飲誤食を回避できるだけでなく、万が一摂取し中毒症状を発症した際、有毒成分の特定を容易にし、個体の生存率を上げる可能性があること。

                掛かり付けの動物病院に植物の有毒成分を特定する医学書がなく、リクガメ飼育者の知識が役立つ場合もある。常時覚えておく必要はないが、詳細な情報源は知っておいた方が無難である。

                 

                3.嘔吐があった場合は、胃の内容物を採取し、即座に動物病院へ行くこと。

                たまたま、自宅で仕事をする日だったため対応できたが、動物病院へ行く判断が遅かった。有毒物質による内臓損傷が進むため、可能ならば、吐瀉物を全て持参し、できるだけ早く動物病院へ行くべきだった。

                 

                4.自身の経験を過信しないこと。

                今回の失敗も、飼育経験からの過信によるものだった。屋外飼育時間が長いため、有毒なものは摂取しないという誤ったイメージを持っていた。

                異種個体の接触回避や給餌内容の工夫と把握、清潔な環境の整備などなど、過去の失敗を生かしてあらゆる部分を徹底化したつもりだったが、飼育者の一方的な「生き物への信頼」によって、命の危険にさらした。

                 

                5.信頼できる獣医を見つけておくこと。

                今回は、掛かり付け医に相当無理なお願いをした。

                症例数も少なく、判断が難しい中、できる限りのことをやっていただいた。

                田園調布動物病院の副院長に、心から感謝したい。

                 

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                ビルマホシガメの生息環境と保護の動向(a habitat of a Burmese star tortoise and it's recovery)

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                  (2017年5月6日 追記。「ミャンマーの乾燥地帯」のニュアンスが伝わりにくかったため、引用データと文章を修正しました。)

                   

                  この記事では、ビルマホシガメの生息環境とミャンマー国内の保護の進展状況を紹介する。

                  まず近年の研究からビルマホシガメの生息分布を把握し、例のごとく気候を確認、その後生息環境へと迫りたい。

                   

                  ビルマホシガメ(ビルマ語でKye Leik。ホシガメの意味)、通称「高い方(金額が)のホシガメ」は、活動量と食事量、丈夫さから、リクガメ飼育者の間でも人気の種である。

                  2013年にワシントン条約附属書Iに掲載されたため、現在では日本への輸入がなく、主に個人ブリーダーと業者による繁殖孵化個体が流通している。

                  2009年の『EXTRA CREEPER』No.4では、ビルマホシガメの繁殖に挑戦する愛好家が紹介されていたが、現在どの程度の数の個人ブリーダーがいるかは定かでない。

                   

                  将来的にリクガメの繁殖を目指し、国内CBのリクガメの普及を望み、さらに信頼できるブリーダーからの購入を希望する私としては、ブリーダーズ・イベントやSNSの他に、ブリーダーがコンスタントに繁殖活動を続けられる仕組み(種への愛情だけでなく、販路や利益も含め)が整備されることを期待している。

                  これについては、いずれ記事を紹介したいと思うが、アメリカの「TORTOISE TOWN」は、個人ブリーダーと購入者を近づける仕組みとして興味深い。アフィリエイトの導入などは、リクガメ飼育者のブログ等を通して、購入者と良質な販売者を繋げることにもなりそうだ。アフィリエイトというと聞こえが悪いかも知れないが、リクガメキーパー同士が新規購入者に「良いブリーダー」を紹介すると考えれば、必ずしも悪い話ではない。

                   

                  さて、ビルマホシガメに話を戻そう。

                  ビルマホシガメは、アジアのカメで、湿度にも強く、活発で愛嬌がある点が魅力で、私にとっても憧れのカメの一匹なのだが、私自身勉強不足なため、「丈夫」「日本の環境にも合う」という以外に、飼育に役立つ情報を多くもっていない。

                  そこで、近年の研究から生息分布を把握し、気候データから生息環境へと迫っていこう。

                  安川裕一郎「旧リクガメ属の分類と自然史1」『クリーパー』2011年59号では、「主に熱帯モンスーン気候の地域にある森林やその周辺に生息する」とあるが、これも含めて検証したい。

                   

                  2011年のミャンマーの野生動物保護チームの研究によれば、ビルマホシガメの野生個体の生息分布はミャンマー中部の「乾燥地帯」と考えられている。

                  「考えられている」というのは、一時絶滅したとの噂があったように、野生個体の観測が極めて困難となったからで、同チームもこうした経緯から、歴史資料、従来の研究者が生息域とした場所、現在ではほぼ絶滅した場所、地理情報システム(GIS)より割り出した生息分布、といった複数の情報を掛け合わせ、ビルマホシガメの生息分布を導いたのである。

                  その結果が次の図である。

                   

                  図 ビルマホシガメの生息分布

                  Fig.Dsitribution of Burmeses star tortoise.

                  出典 Platt, S.G., Thanda Swe, Win Ko Ko, Platt, K., Khin Myo Myo, Rainwater, T.R., and Emmett, D. 2011

                  [accessed May 4th, 2017]

                   

                  少し見にくいが、赤が「歴史資料から確認できる場所」、グレーが「1992年のIversonの研究で旧生息地とされた場所」、赤・黒が「かつて野生個体群が観測され、ほぼ絶滅している場所」、グリーンがコンピュータの情報システムから算出した生息分布である。エーヤワディー川を中心にミャンマー中部を生息域としていたと推測されている。

                   

                  次に、上記の情報をミャンマーの気候情報と比較したい。

                   

                  図 ミャンマー気候区分

                  Fig.Climatic division in Myanmar.

                  ミャンマー地図ミャンマー気候区分地図

                  出典 旅行のとも、ZenTech ミャンマーの気温 [accessed May 4th, 2017]

                   

                  この気候分布図との比較から、ビルマホシガメの自然下の生息環境は、ほぼサバナ気候であることが確認できる。

                  以下、マンダレー、バガン、プローム(ピー)の3地域の気候情報を見ていこう。同一気候帯のため、3地域の情報を一度に提示する。

                   

                  表 マンダレーの気温と降水量 

                  Fig. Temperature and Precipitation of Mandalay.

                  Average min and max temperatures in Mandalay, Myanmar (Burma)   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                  Average monthly sunhours in Mandalay, Myanmar (Burma)   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                  Average precipitation (rain/snow) in Mandalay, Myanmar (Burma)   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                  Average rainy days (rain/snow) in Mandalay, Myanmar (Burma)   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                  Average relative humidity in Mandalay, Myanmar (Burma)   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                  出典 World Weather and Climate Information Climate Mandalay[accessed May 6th, 2017]

                   

                  表 バガンの気温と降水量

                  Table. Temperature and Precipitation of Bagan.

                   

                   

                  表 プローム(ピー)の気温と気候

                  Table. Temperature and Precipitation of Prome(Pyay).

                  出典 旅行のとも、ZenTech ミャンマーの気温 [accessed May 4th, 2017]

                   

                  ミャンマーのサバナ気候の特徴は、年間を通して変化の少ない最高気温と、12月から2月にかけた平均最低気温の低さ、同一気候帯でも異なる降雨量にある。

                  どの地域でも日中と夜間の温度差は著しく、12月と2月の15〜20度の差は驚くべき値である。

                  地球の歩き方の特派員レポートにあるように、バガンとマンダレーはミャンマーの中でも特殊な気候の地域で、年間を通して雨が少なく、他の地域が雨季の時期もほとんど雨が降らない(バガンは雨季知らず!?ダブル乾季の不思議)。その意味では「乾燥地帯」であることに間違いないだろう。

                  ただし、私たちが持つ「乾燥地帯のイメージ」とミャンマーの「乾燥地帯」は異なっており、空気中湿度が40〜80%あることは頭に入れておかなければならない。

                   

                  次の図は、2011年のミャンマーの野生動物保護チームの研究で紹介された、ビルマホシガメの「典型的な生息環境」である。

                  出典 Platt, S.G., Thanda Swe, Win Ko Ko, Platt, K., Khin Myo Myo, Rainwater, T.R., and Emmett, D. 2011

                  [accessed May 4th, 2017]

                   

                   

                  以上、ビルマホシガメの生息地域と気候データから、生息環境を見てきた。

                  ここから言えることは、次の通りである。

                   

                  1 ビルマホシガメの環境適応能力は高く、ミャンマー内の乾燥気味の土地から降雨量の多く湿度が高い土地まで、そして35度以上の高温から14度ほどの低温にも耐えうるポテンシャルがあること。

                  (乾燥気味といっても、降雨量が少ないだけで、空気中湿度は40%〜80%であり、ケージ内湿度が極端に乾燥した場合に耐えられるかは不明である。ただし、50%以下の平均湿度で約2ヶ月間も耐えうること自体、「頑丈」である証拠だと考えられる。)

                  2 東京であれば、5月から10月までは屋外飼育にも十分に耐えうる「頑丈さ」があること。

                  3 6月頃に産まれた卵の孵化率が低いとの報告があるが(神奈川近辺のブリーダーより)、これは「孵化温度の低さ」に由来する可能性があり、生息分布の気温を考えれば32~33度以上に設定することで、孵化率が向上するかもしれないこと。

                   (2016年5月22日訂正。ビルマホシガメの孵卵については、高温維持よりも「休眠(冷却)」の方がキーとなる可能性があり、詳細は、拙稿「ビルマホシガメの「孵化温度と性決定」(海外の実践例)」に記載した。繁殖技術に感心がある方は、こちらを読まれたい。)

                   

                  最後に、ミャンマー国内のビルマホシガメの保護の近況についてである。

                  2014年から繁殖個体を自然に帰すプロジェクトが進められているが(300 Burmese Star Tortoises Transferred for Release in Myanmar)、この進捗は良好で、2016年1月の記事では、アジアの中で最も保護が成功している事例と言われるほど、順調な自然回帰が進んでいるようである(TSA Expands Turtle Rescue Program in Myanmar)。

                  もっとも、今後プロジェクトが順調に進展し絶滅の危機を脱したとしても、ワシントン条約の付属書1から2への規制緩和は、一度「絶滅の危機に瀕した」という事実があるため採択が困難であり、将来的にも実現しないと思った方が良いだろう。

                  日本でもアカアシガメと同等に飼いやすく、明るく活発なリクガメであるが、われわれが今後ビルマホシガメを飼育できるか否かは、日本国内のブリーダーの繁殖活動にかかっているのである。

                   

                  a marked and transmittered tortoises at Minsontaung

                  出典 TSA Expands Turtle Rescue Program in Myanmar [accessed May 4th, 2017]

                   

                   

                  参考文献

                  Platt, S.G., Thanda Swe, Win Ko Ko, Platt, K., Khin Myo Myo, Rainwater, T.R., and Emmett, D. 2011. Geochelone platynota (Blyth 1863) – Burmese Star Tortoise, Kye Leik. In: Rhodin, A.G.J., Pritchard, P.C.H., van Dijk, P.P., Saumure, R.A., Buhlmann, K.A., Iverson, J.B., and Mittermeier, R.A. (Eds.). Conservation Biology of Freshwater Turtles and Tortoises: A Compilation Project of the IUCN/SSC Tortoise and Freshwater Turtle Specialist Group. Chelonian Research Monographs No. 5, pp. 057.1–057.9, doi:10.3854/crm.5.057.platynota.v1.2011http://www.iucn-tftsg.org/cbftt

                  [accessed May 4th, 2017]

                   

                   

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                  野生のヤブガメ観察 (Observation of the endangered geometric tortoise)

                  0

                    カメさん日記」さんのヤブガメへの思いを読んで(2017年のカメライフ2)、このリクガメについてもっと知りたくなりました。

                     

                    いつもならば海外研究をサーベイしてまとめますが、今回は趣向をかえて、自然観察に出かけてみましょう!!!

                    人・モノ・情報が世界中を移動する時代です。自宅に居ながら南アフリカにだって出かけられます。

                    最近、ソリガメのCB個体の流通量が増えていて、食指が動きそうです(憧れのカメの一匹なので)。笑い

                    ソリガメ・キーパーの方は、ヤブガメと生息域は重なる部分があったはずなので、参考にして下さい。

                     

                    それでは、ヤブガメ観察開始です!

                    [accessed May 6th, 2017]

                    野生のカメの保護団体、Turtle Conservancyのヤブガメ保護プロジェクトの動画です。

                    南アフリカのケープ南西部あたりでヤブガメが観測されているようなので、そこらへんでしょうか。

                    今回は調査ベースの記事ではないので、気軽にいきましょう。

                    降り注ぐ太陽の日差しと爽やかな風が伝わってきますね。

                    ヤブガメの動きが速い!

                    私の印象としては、甲羅はインドホシガメ、動きはパンケーキリクガメなんですよね。

                    とにかくアクティブ。

                     

                    短い動画なので、すぐに終わってしまいました。

                    では、次の観察スタート!

                    [accessed May 6th, 2017]

                    People's Weather DStv Channel 180の動画です。

                    この動画はヤブガメ保護に携わる両棲爬虫類学の博士のインタビューベースですが、ペットトレードのための乱獲によって絶滅の危機にあるともおっしゃってますね。

                    日本はエキゾッチク・アニマル輸入量世界2位でありますし、爬虫類を飼育する東洋辺境の民には耳が痛い話です。

                     

                    「私が買わなければ繁殖個体以外流通しなくなるならば・・・買わないけれど、そうでないから・・・」というのは一理ありますが、論点のすり替えで、入り口(現地)と出口(日本での流通)、両方に関心を持たなければなりませんね。

                    入り口として、現地の保護活動への寄付は、リクガメ飼育者として積極的に呼びかけないといけませんね。とくに、リクガメ飼育者はある程度経済的なゆとりがあるわけですから!

                    出口の問題としては、好きな種はペットとして可愛がるのもありですが、可能ならば繁殖まで繋げて、野生個体の需要を減らすことでしょう。

                     

                    これもいずれ記事にしますが、アジア圏のリクガメ需要が伸びていますから(ヘサキリクガメとホウシャガメの密輸も含め)、エキゾチック・アニマル先進国の日本としては、1位のアメリカのように、ブリーダーの増加と繁殖個体の流通に力を入れていく必要があるでしょう。

                    愛するリクガメさんたちのためです。

                     

                    少し脱線しますが、下のリンクが世界的なカメの保護団体Turtle Conservancyの寄付のページです。

                    https://www.turtleconservancy.org/support/

                    お気に入りのカメさんの野生個体の保護に繋がります。

                    日本の寄付文化は発展途上ですが、カメへの愛情を野生個体にも向けていただければと思います。

                     

                    自然観察のつもりが、まじめな話に。

                    野生個体の観察には避けて通れませんからね。

                     

                    では、次の観察スタート!

                    [accessed May 6th, 2017]

                    5050 Communityの動画です。

                    生息環境に関する情報量がとても多い動画ですね。

                    この動画も絶滅の危機について言及しています。産卵数が少ないでしょうから、繁殖で増やすのも容易ではないでしょう。

                    「日本に入ってきた、万歳!」と単純には思えなくなってしまいますね。

                     

                    しかし、それにしても乾燥した土地ですね。植物の栄養価もとっても低く、食物繊維の塊のような草ばかり、とても強い風も特徴ですね。飼育する場合は、ファンを回して、空気を籠もらせないように注意すべきでしょう。

                    野生個体の調査に犬が貢献してます。

                    あまり犬が得意ではないですが、訓練された犬は好きです。

                     

                    まだまだ観察は終わりませんよ。

                    では、スタート!

                    [accessed May 6th, 2017]

                    この動画も5050 Communityによるものです。

                    素晴らしい活動ですね。寄付しようかな。

                    この観察で気になったのは、気温ですね。それほど暑くなさそうですし、少し寒そうです。

                    小雨もしばしば降るようですが、土が濡れるほどは降っていませんね。すぐに太陽が出ています。

                    とても強い風が湿度上昇を抑えているのでしょう。

                     

                    ヤブガメの自然観察の旅はいかがでしたか?

                    考えさせられることも沢山ありましたが、野生個体の元気に歩く様はとても可愛らしいです。

                    自然下ではより保護が進んでほしいですし、みなさんがもし手にすることがある場合は、繁殖まで繋げていただきたいと思います。

                    野生のカメの保護への寄付も、よろしくお願いいたします!

                    https://www.turtleconservancy.org/support/

                     

                    This article introduces some movies about the endangered geometric tortoise.

                    We can get a lot of information by watching these kinds of movies and learn their habitat well.

                    If you kept a geometric tortoise, you would get some ideas from these movies.

                    And I'd like you to ask for donation to Turtle Conservancy! I'm sure that your help will save wild tortoises!!!

                     

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                    ホウシャガメの生息環境と「再現環境」 A habitat of a radiated tortoise

                    0

                      今回は、ホウシャガメの生息環境を見ていきたい。

                      この記事では、まず繁殖に成功した野毛山動物園の環境を整理した上で、海外のホウシャガメ研究から生息分布を確認し、気候データと写真から生息環境に迫りたい。最後に、「再現環境」と繁殖成功との関連についても考察する。

                       

                      ホウシャガメ(マダガスカル語で sokatra。亀の意味。)はリクガメ飼育者の憧れのカメの一種であるが、その生息環境はあまり知られていない。

                      「ホウシャガメ、生息環境」で検索して見つかる最初のサイトでは、マダガスカル島南部に分布、乾燥した森林などを生息環境とし、最大甲長40cm、体重13〜16kgになることが紹介されているが、それ以上の情報は掲載されていない。

                      動物園や図鑑で見る分には申し分ない情報だが、ホウシャガメの個人繁殖の成功を考えると話が違ってくる。

                       

                      では、過去3度のホウシャガメの孵化に成功した野毛山動物園の環境を整理しよう。

                      「種の保存」という意味で、動物園の繁殖方法と実績の公開、もしくは研究者による調査・公表を期待してやまないが、インターネット上で入手可能な情報を整理すると、3回のホウシャガメの孵化に成功している横浜市野毛山動物園(2009年、2011年、2016年に孵化成功)は、夏場の乾季と冬場の雨季を「再現」し、普段は別飼育している雄雌を互いが発情する春先に合流させているようである(野毛山動物園「それゆけホウシャガメ」)。

                      昨年2月に訪問した際も、赤玉土が敷かれた乾燥した環境が「再現」されていた。

                      もっとも、この環境が継続的な繁殖・孵化成功の条件であるかは別の話で、過去三度の孵化成功間隔から推察するに、繁殖方法はまだ確立していないと思われる。

                      これは批判ではなく、欧米のブリーダーによるコンスタントな繁殖実績と比較した事実である。

                       

                      さて、ここからは、彼らの生息する環境を見ていこう。

                      まず、ホウシャガメのマダガスカル島内での生息分布である。

                      2001年のアメリカの動物学者による研究は、生息分布を知る上で有益である。

                      ホウシャガメの主な生息地は、マダガスカル島南部のMahatalyとst.MarieのあるKarimbol。南西部のトゥリアラ附近と南南東のトラニャロ附近では、部分的に生息しているようである。

                       

                      ホウシャガメ分布図 

                      Fig. Distribution of sokatra(radiated tortoise) in Southeastern Madagascar.

                      出典 RONALD A.NUSSBAUM AND CHRISTOPHER J.PAXWORTHY(2000)

                       

                      上記の分布をマダガスカルの気候区分地図と比較すると、ホウシャガメの生息環境、ないし適応環境を知ることができる。

                       

                      マダガスカル気候区分地図とマダガスカルの地図

                      Fig.Climatic division in Madagascar.

                      マダガスカル気候区分地図マダガスカル地図

                      出典 旅のとも、Zen Tech:マダガスカルの気温[accessed Apr 30, 2017]

                       

                      この気候分布図との比較から、ホウシャガメの自然下の生息環境は、3つに分類される。

                      1つは、ステップ気候(南西部のトゥリアラ附近)、2つ目は温暖気候(南南東のトラニャロ附近)、3つ目は、サバナ気候(Mahatalyとst.MarieのあるKarimbol)である。

                      サバナ気候帯がホウシャガメの主な生息地だが、温暖気候とステップ気候もホウシャガメの適応環境の範囲内と考えてよいだろう。各々の地域の気候データをみながら、ホウシャガメの自然下の適応環境を整理したい。

                       

                      まずは、温暖気候(南南東のトラニャロ附近)で、トラニャロの気候データは以下の図の通りである。

                       

                      図トラニャロと東京の気温と降水量 

                      Fig. Temperature and Precipitation of Tolanaro and Tokyo of Japan.

                      トラニャロ気温
                      出典 旅のとも、Zen Tech:トラニャロと東京の気温および降水量グラフ[accessed Apr 30, 2017]

                       

                      温暖気候の特徴は、年間を通して変化の少ない気温と降水量である。

                      最高気温は22~28度、最低気温は16〜24度、降水量は東京とそれほど変わらず、暑すぎ寒すぎず、1月から4月にかけて、日本の梅雨から夏のように少し湿度が高そうである。

                      東京との比較であるが、5月から10月にかけた日本の気候にも順応できそうで、冬場にかけて28度、湿度70%程度を作り出せば、「環境再現」も可能だろう。

                       

                      次に、ステップ気候で、トゥリアラの気温と降水量は以下の通りである。

                       

                      表 トゥリアラ 月別気温  

                      Table.Temperature of Toliara

                       出典 旅のとも、Zen Tech:トゥリアラの気温グラフ[accessed Apr 30, 2017]

                       

                      温暖気候と比べ、年間を通して最高気温は高めだが、最低気温は15〜22度。東京の5月から10月にかけた晴天の日ならば、この条件をクリアできるだろう。温暖気候と比べ降水量はかなり少なく、1、2月の10日間ほどの降雨を除けば、年間を通して殆ど雨が降っていない。乾燥した土地、強い日差し、高めの温度で、草木の陰で暑さをしのぎ、植物や池などから水分を摂取するのだろう。

                       

                      関連画像

                      出典 WWF Toliara, Les tortues marines à nouveau au cœur des trafics(2012) [accessed Apr 30, 2017]

                       

                      この写真はWWFによる現地での密猟(もしくは食用捕獲)の写真で、トゥリアラのあるステップ気候の環境を知る貴重な情報源である。

                       

                      最後に、サバナ気候(Sainte Marie)を見ていこう。

                      以下の図は、World Weather and Climate Informationからの引用である。

                      Average min and max temperatures in Toamasina, Madagascar   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                      Average monthly sunhours in Toamasina, Madagascar   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                      Average water temperatures in Toamasina, Madagascar   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                      Average precipitation (rain/snow) in Toamasina, Madagascar   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                      Average rainy days (rain/snow) in Toamasina, Madagascar   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                      Average relative humidity in Toamasina, Madagascar   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                      Average wind speed in Toamasina, Madagascar   Copyright © 2017 www.weather-and-climate.com

                      出典 World Weather and Climate Information Climate Sainte Marie[accessed Apr 30, 2017]

                       

                      サバナ気候の特徴を整理すると、最高気温24~28度、最低気温17~23度、日照時間は日本の東京都比べても長く(2017年4月の30日間の日照時間187時間)、およそ月の3分の2は雨が降り、降水量は120〜450mmである。

                      東京の9月頃の降水量がSainte Marieの乾季にあたるので、乾燥気味とはまた違った環境だということがわかる。

                       

                      以上、ホウシャガメの生息地域と気候データから、生息環境を見てきた。

                      ここから言えることは、次の通りである。

                       

                      1 ホウシャガメの環境適応能力は高く、種としては、乾燥気味の土地から雨の多い土地まで適応できうるポテンシャルがあること。

                      2 雨季・乾季の「再現環境」が適応するのは、Sainte Marieを中心とする地域の個体で、ホウシャガメ飼育全般の「理想環境」とは、必ずしも言い切れないこと。そして、Sainte Marieの乾季は東京の9月くらいの降水量で、必ずしも乾燥気味でないこと。

                      3 生息分布が広いため、どの気候帯の個体、もしくはそれを種親とする個体か判別できないため、飼育者が個体をよく観察し、高湿度や乾燥で体調を崩すようならば、他の気候帯の可能性を探ること。

                      4 コンスタントな繁殖ができない場合、「再現環境」がその個体に合っていない可能性も考慮に入れること。

                       

                      以上が、今回得られた知見である。

                      今回の調査は、1つの疑問からはじまった。

                      それは、水を撒くことによって体調を崩すホウシャガメがいる一方で、フィリピンのDennis氏の個体のように平均湿度75-85%で健康に育つホウシャガメもいる。この違いはどこにあるのか、ということである。

                      結論としては、ホウシャガメの生息地域が3つの気候帯にまたがっているため、その個体の生息地(もしくは親の出生地)と異なる環境を提供すると、耐えられない個体もいる、ということになるだろう。

                      繁殖・孵化になかなか成功しないケースも、こうした生息環境に関係していると思われ、「再現環境」がその個体に適したものでなければ、孵化もなかなか成功しないと推察できる。

                      もっとも、時間をかけて孵化が成功にいたるケースもあり、それはこの種の持つ環境適応能力にあると思われ、時間をかけて提供された環境に順応した個体の卵が孵化にいたったのだと考えられる。

                       

                      参考文献

                      RONALD A.NUSSBAUM AND CHRISTOPHER J.PAXWORTHY(2000),Commentary on conservation of "Sokatra", the radiated tortoise (Geochelone radiata) of Madagascar (PDF Download Available).  [accessed Apr 30, 2017]

                       

                      英文は、時間を見つけて追記します。

                       

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                      ホウシャガメのブリーダー紹介(A radiata's breeder in Philippines)

                      0

                        今回の記事では、フィリピンのホウシャガメブリーダーについて紹介したい。

                         

                        リクガメ愛好家や爬虫類マニアならば知らない人はいないマダガスカルのリクガメ、ホウシャガメ。

                        近年、日本の市場でも流通し、小売価格は大変高額ならがら、飼育者も少しずつ増えてきている。

                         

                        アジア圏の富裕層にもこの種は人気で、中国やシンガポール、インドネシアでは、正規輸入もしくは密輸によるホウシャガメやヘサキリクガメが流通しているようである。

                        東京の地価が世界で最も高かったのも過去の話。ここ5年間ほどで、先進国やアジアの途上国の都市部に比べ、東京の地価は最も安くなった。

                        元来社会的ステータスである「国外の生き物の飼育」を、アジア圏の富裕層もはじめているのだ。

                         

                        さて、日本でのホウシャガメ飼育者が増えつつある一方で、個人レベルで繁殖を成功させるのは、なかなか難しいようである。

                        関西のリクガメ専門店が2000年代後半からホウシャガメの繁殖に挑戦していたのは有名な話だが、交尾行動と産卵はあるものの、孵化までにはいたらなかったようである(TORTOISE-STYLE.COMのホウシャガメ産卵レポート)。

                        つい先日、江戸川区の自然動物園がホウシャガメの繁殖に成功したと報じられ(自然動物園で「ホウシャガメ」の赤ちゃん誕生)、個人飼育者の繁殖初成功にも期待が寄せられている。

                         

                        今回紹介するブリーダーは、フィリピンで初めてホウシャガメの繁殖に成功したDennis氏。

                        リクガメの知名度が低いフィリピンで、2000年頃から手探りで数々のリクガメの飼育・繁殖に挑戦してきた第一人者である。

                        2002年からホウシャガメを合法的に飼育しはじめ、約10cmから育てた個体が2013年に繁殖行動を開始、以後産卵するものの孵化に至らなかったが、2016年12月29日念願の孵化に成功した。

                         

                        Dennis氏から許可を得たので、写真を紹介したい。

                        左が雄のSoda、左が雌のCola、手前が孵化個体である。

                         

                        初ハッチの個体。

                         

                        Dennis氏は飼育記録を公開し、フィリピンでのリクガメ飼育の普及活動にも努めている。

                        そんな彼が2000年代初頭、リクガメ飼育の模索中に参考にしたのが、日本のリクガメ飼育者のサイトやブログだったらしい。

                        その話を聞いて、少し嬉しくなってしまうのは私だけだろうか。

                         

                        Dennis氏のホウシャガメ飼育環境等については、質問して得た情報も整理した上で、また改めて紹介したい。

                        彼はホームページで飼育情報を公開しているので、一刻も早く知りたい方は、そちらを御覧になられたい。

                         

                        Dennis氏のホームページ

                        Soda's TORTOISE GARDEN

                         

                        This article introduces Fhilippino tortoise's breeder, Mr.Dennis.

                        He succeeded to hatch a radiata tortoise, the first captive-bred in Fhilippines!!!, on 29th December of 2016.

                        He presents his care sheet to spread the legal keeping and breeding a tortoise on the internet 'SODA'S TORTOISE GARDEN'.

                        This article shows some beautiful pictures from his website.

                        I'd like to appriciate for his kindness!!!ありがとう!!!

                         

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                        チェリーヘッド・アカアシガメのブリーディング・ファーム (Red foot tortoise's Breeding Farm in Brazil)

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                          今回は、ブラジルにあるチェリーヘッド・アカアシガメのブリーディング・ファームを紹介します。

                           

                          ブラジル北東部のサルヴァドールから約200kmに位置するバイシャ・グランデには、政府公認の輸出用アカアシガメ農園があります。バイシャ・グランデはサバンナ気候帯にありますが、大雨が降らない年が続くこともあり、強い日差しと比較的乾燥した土地が特徴です。

                          広大な農園の敷地内に5000頭ほどいるチェリーヘッド・アカアシガメは、強い日差しを避けるため、一日の大半をサボテンや低木の陰で過ごします。

                           

                          では、農園の写真を見ながら、ブリーディング・ファームの様子を観察していきましょう。

                          チェリーヘッド・アカアシガメ

                          この写真の季節は12月。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロやサン・パウロは雨期にあたりますが、サルヴァドールの降水量は少ない時期です(サルヴァドールの雨期は4~7月。他の月の降水量は110〜130mmで、東京でいうと3、4月の降水量)。

                          農園内の土地は乾燥ぎみで、「高湿度を必要とするチェリーヘッド・アカアシガメ」といった「飼育の常識」とはかけ離れいるため、アカアシガメ飼育者の私も衝撃を受けるほどです。

                          日差しが和らぐ夕方の時間帯に餌を与えているようです。

                           

                          乾燥しているといっても、水分補給ができるよう水場があるのでしょうか?黒いホースがひかれています。

                          農園主のAroldo Borgesのサイトでは、草が生い茂る場所や、大きな水場の写真などが紹介されており、ある程度カメ任せなのだと思われます。

                          それでも土地自体は乾燥ぎみで、しかも亀の甲羅はツルツル。なぞは深まるばかりです。

                           

                          次の写真を見てみましょう。

                          農園内の様子が観察できます。

                          農園の一部ですが、低木にサボテン、ブッシュが至る所にあります。

                          一枚目の写真から更に日が傾き、食事を終えたカメたちは代謝を落とす準備をしているのでしょうか。

                          サルヴァドールの年平均最高気温は25.2度、最低気温は22.7度。バイシャ・グランデはそこから200km以上離れているため参考にしかなりませんが、日中の太陽光で甲羅の表面温度はかなり上昇すると思いますから、日没後のカメの体感温度はかなり低いかもしれません。


                           

                          この農園が紹介された2012年のニュース記事には、アジアマーケットへの期待、香港や台湾のバイヤーが欧米の5倍の規模で注文すること、中国では魔除けとして飼っているらしいこと(農園主の見解)などが書かれています。

                          もちろん、農園にとって中国での需要は喜ばしいことです。輸出のために政府公認でブリードしているのですから。

                          (ちなみに、アダルトサイズで1頭150ドル、約1万5千円。小売価格は350ドル、約3万5千円ほどと紹介されています。日本の小売価格は4~5万円ほどですね。)

                           

                          FOLHA DE S.PAULOというニュースサイトでは、この農園主と農園関連と思われる写真が紹介されています。

                          さらに見ていきましょう。

                          農園内には様々な場所があり、湿度の高い場所も作っているようです(Aroldo Borgesのサイト’SANTA RITA’の写真紹介のページ)。

                          ですが、高温多湿というよりも、やはりカラットした湿り気のある場所という印象です。

                          農園関係者と思われる男性は、ジーンズの長袖を着ていますから、蒸し暑いというより、日差しで暑いのでしょう。

                           

                          Aroldo Borges氏の農園は現在もアカアシガメをブリーディングしているようです。

                          これから爬虫類屋・リクガメ専門店を目指す方などは、現地に行って交渉・取材してみるのはいかがでしょうか。

                          生産者の声、繁殖環境は消費者も知りたいですし、飼育環境づくりに役立ちます。

                          近年急成長を遂げたあるコーヒーの卸問屋は、世界中の生産地に足を運び、現地の人とコミュニケーションを取りながら調達、そこで知り得た情報を販売にも生かしていました。商品の魅力を最大限引き出すことに成功したのでしょう。

                          商品の売り方も時代と共に変わりますし、飼う(買う)側もそうしたクオリフィケーション(品質の保証)を今まで以上に信頼して、商品を購入しているように思われます。

                           

                          This article shows you a cherry head red foot tortoise’s breeding farm, one of legal farms, in Baixa Grande of Brazil. A cherry head red foot tortoise (jabutis) is one of popular tortoise in Japan according to not growing too much. However, we cannot get information regarding their living condition easily. These pictures show us a jabutis’ living place and the environment that it prefers. You can read some articles in English from the link.

                           

                          出典:

                          Amar Rios Noticia,'Rei dos jabutis' natural do município de Baixa Grande vende até para a China'', December 25, 2012.

                          FOLHA DE S.PAULO,'Criação de jabutis; Veja imagens dos criadores de jabutis legalizados no Brasil', December 25,2012.

                          Aroldo Borges'SANTA RITA' (Breeding Farm Offical Website)

                           

                          (以上すべての写真は、ブラジル現地のニュースサイトからの引用です。現地の生息・飼育環境を知るという研究目的のための引用で、出典を記載しています。ニュースという一般公開物の特性上、農園主やニュースメディアへの許可取得の必要性がないと判断しましたが、個人のサイトやブログからの勝手な引用は著作権法に抵触するので、同様の紹介記事を作成する場合は、十分にお気を付けください。)

                           

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                          JUGEMテーマ:カメ全般


                          島嶼部生息の「ドワーフ・アカアシガメ」

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                            日本で流通しているアカアシガメには、あまり大きくならない「ドワーフタイプ」と言われる種類がいます。「ブラジリアン・チェリーヘッド」、カリブ海の島嶼部生息の「バルバドス産アカアシガメ」と「グレナディーン産アカアシガメ」の3種です。

                             

                            「バルバドス産」と「グレナディーン産」は、南米大陸北部のノーマルタイプの枝分かれした種とされていまして、一見ノーマルタイプと見分けがつきませんが、大きくなりすぎないと言われています。

                            ノーマルタイプの腹甲が黄色いアカアシガメが好きで、飼育環境が限定的な人にとって、夢のような話でして、この「ドワーフタイプ」はどの程度の大きさで成長が止まるのか、期待が寄せられています。

                             

                            ところで、「バルバドス産」と「グレナディーン産」が大きくならない、という話は本当なのでしょうか?

                            本当だとすると、見分けがつきませんから、ベネズエラ産CBと言われながら「チェリーヘッド」と銘打たれ販売されていた我が家のアカアシガメが大きくならず(知っている方にとってはちょっとした矛盾。)、スリナム産の27cmの雄が繁殖において役に立たない、なんてことあるかもしれません。

                             

                            SNSの発展は本当に素晴らしく、日本にいながらベネズエラやスリナム、コロンビアなどなど、各地のアカアシガメの野生個体の写真、動画を見ることができます。無断転載はできませんので、「バルバドス産」と「グレナディーン産」のアカアシガメの大きさが検証可能な材料をインターネットで再調査し、見つけてきました。

                             

                            まず、「バルバドス産アカアシガメ」についてです。

                            カリブ海に浮かぶバルバドスには、アカアシガメを含め野生動物を護るBarbados Wildlife Reserve、いわゆる保護区があります。

                            保護区内では、アカアシガメや猿、鳥などが自由に歩き回っており、サファリパーク一体型動物園のような面白さから、観光名所の一つとなっています。

                            さて、この保護区では、大きな餌場が設けられており、動物たちが一斉に集まってきます。

                            その様子を動画(Tiffany Tooley氏撮影)で見てみたいと思います。

                            あらゆる動物がごった返していますが、アカアシガメたちも餌を求めて負けじと参戦しています。

                            彼らアカアシガメの大きさは、およそドワーフとは形容しがたく、ノーマルタイプのアカアシガメと同じ、30cm~40cm弱ぐらいのようです。

                            もっとも、動画の個体群は結構な年齢のようで、ここまで甲羅が分厚く、かつ摩耗するには、30、40年の年月はかかるでしょう。

                             

                             

                            次に、「グレナディーン産アカアシガメ」についてです。

                            カリブ海にあるセント・ヴィンセント・グレナディーン諸島のアカアシガメについては、リサーチに手間取りました。

                            アカアシガメの写真は多くあるのですが、大きさを比較するものがないのと、写真個体が子供か、セミアダルトか、アダルトか、判別できないからです。

                            カリブ海のリゾートホテルを紹介するウェブサイトで、やっと次の画像を発見しました。

                            (出典 Islands  Bequia, St. Vincent and the Grenadines 2007)

                             

                            ハイビスカスを食べているアカアシガメの写真ですが、頭も大きく、前足は太く、非常に大きく感じます。おそらく、30~40cm弱の野生個体で、ここまで大きくなるのには、20年以上は要するでしょう。

                             

                            このほかにも、セイント・ヴィンセントの島を巡った方のブログに「local tortoises」の紹介がありました。

                            個人ブログでコンタクトを取っていないため、写真の転載は避けますが、spiritofargo氏の「IT'S A DOG LIFE」の中下段に、アカアシガメをキープするレストランの紹介があります。

                            キープしている理由は、食べるためでしょうか(苦笑い)?

                            まぁ、我々がスッポンを食べるのと同じ感覚かもしれませんね。

                            大きさは写真から判別できませんが、あまり大きすぎない印象で、30cm未満だと思われます。

                             

                            もっとも、グレナディーン諸島には、多くの島があるので、本当に大きくならない「ドワーフ・アカアシガメ」がいるかもしれません。「グレナディーン産」として手にするCB個体たちが、その「ドワーフ」であることを願ってやみません。

                             

                            以上、「バルバドス産」と「グレナディーン産」が大きくならない、という話は本当か検証してみました。

                            結論を述べますと、少々怪しい情報である、と考えられます。

                            SNSで友好関係を構築中ですので、今後現地の人との交流等で新しい情報を入手次第、ブログにて報告したいと思います。

                             

                            最後に、ノーマルタイプのアカアシガメは、確かに大きくなりますが、成長速度はそれほどはやくなく、25cmに達するのに8年ほど要し、それ以後は年に数ミリずつしか成長しません(クリーパー2004年25号、p65)。

                            リクガメの中では中途半端に大きくなる理由で倦厭されることがありますが、いずれ紹介するように優れた知性もあり、一匹だけリクガメを飼うならば、私はこのリクガメをオススメします。

                            (英文は追記します。)

                             

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                            リクガメとサルモネラ Salmonella in Tortoises

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                              食中毒や胃腸炎などの感染症の原因細菌であるサルモネラは、ほ乳類や鳥類と同じく、爬虫類も保有している。

                              カメを感染源とした人のサルモネラ症というと、水棲ガメのイメージが一般的かもしれないが、トカゲやヘビをはじめリクガメも同じく、サルモネラを保有しているのである。

                               

                              山口県内の12施設のペットショップの飼育個体(カメ類、トカゲ類、ヘビ類の計139)を調査した2013年の研究によると、爬虫類のサルモネラ保有率は50.4%で、そのうちわけはヘビ類が75%、トカゲ類が68.8%、カメ類が42.2%だった。

                              リクガメの調査結果を注目して見ると、ヘルマンリクガメ、アカアシリクガメ、ギリシャリクガメ、ヒョウモンガメ、インドホシガメ、エロンガータリクガメから、数種のサルモネラが検出されており、「サルモネラ=水棲ガメ」というのが、誤ったイメージであることが理解できる。

                               

                              ペットショップの管理方法や検出されたリクガメの種類云々が問題なのではなく、重要なことは、リクガメを含む爬虫類全般がサルモネラを高確率で保有していることである(検出されたサルモネラの50%以上が薬剤耐性があった)。

                              爬虫類のサルモネラの感染経路は十分に解明されていないが、2008年の研究によれば、卵から孵化した時点で高確率でサルモネラを保有していることが報告されている。

                              したがって、清潔なショップからの購入、自家繁殖云々は問題でなく、「我が家のカメにかぎって」とは言えないのである。

                               

                              乳幼児や高齢者など、免疫力が低い方がいる家庭では、食中毒や胃腸炎のリスクがあることを自覚した上で、とくに注意を払うべきでしょう。お腹の調子が悪くなる頻度が高い方は要注意です。

                               

                              サルモネラの人への感染経路は、口ですので、当たり前のことですが、「カメに触ったら石けんで手を洗う」、「人が食事をするところで飼育しない」、「台所や洗面台でカメの用具を洗わない、もしくは洗った場合は、アルコール消毒をする」ことを心がけましょう。

                               

                              参考文献

                              林谷秀樹・岩田剛敏・中臺文「話題の感染症 爬虫類とサルモネラ」『モダンメディア』2008年54巻6号。

                              亀山光博・矢端順子・富永潔・野村恭晴・泉谷秀昌「山口県内のペットショップで販売されている爬虫類のサルモネラ保有状況及び薬剤感受性」『日獸会誌』2013年66号。

                               

                              Reptails including tortoises have Salmonella as same as mammals and birds have.

                              In 2013, Japnase resarchers, examined 139 reptiles sold at pet store in Yamaguchi prefecture of Japan for the prevalence of Salmonella spp., showed that a total of 50.4% samples were positive for isolation of Salmonella spp.(42% in tortoises, 69% in lizards and 75% in snakes)(You could see summary.).

                               Therefore, you should know almost reptails have Salmonella and be careful for your health by washing your hands well, not keeping tortoises in a dining room and not washing breeding equipment in a kitchen.

                               

                              アカアシガメ

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                              アカアシガメの魅力 Attractive Red Foot Tortoises

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                                アカアシガメは人気のあるリクガメではありませんが、多くの魅力があります。

                                Red foot tortoises are not popular in this country. But if only they had been known well, they would attract various kinds of people.

                                 

                                 

                                ひとつは、飼いやすいこと。

                                熱帯に生息するアカアシガメは蒸し暑さを好むため、日本の春から秋の気候に適しています。暑さや湿度で体調を崩すことは、ほとんどないでしょう。

                                First, it’s easy to keep them in our country.

                                Since red foot tortoise which are living in tropical regions of South America prefer hot and wet weather, we can keep easily from spring to autumn.

                                アカアシガメ

                                 

                                 

                                ふたつ目は、ヴァリエーションが豊富なこと。

                                頭や手足、甲羅に入る色彩は豊かで、オレンジ一つとっても、濃い色からパステルカラーまで様々です。

                                リンク先の写真を見て下さい(Jared Smith氏のブログ「RED-FOOT TORTOISE CARE 101」の記事)。鮮やかなオレンジとパステルイエローのコントラストは、私たちがよく見るアカアシガメとは思えません。色彩鮮やかな個体同士からどのような子が取れるか、きっと爬虫類マニアも満足させるはずです。

                                Second, this specie has a wide range of color lineup.

                                Some red foot tortoise has a dark orange head and another has a bright orange head.

                                Look at the picture introduced in Jared Smith’s blog! Don’t you think it’s amazing? I cannot believe it’s the same specie as one I have. I’m sure that reptile’s enthusiasts who like to produce new color’s one also will be satisfied!

                                 

                                 

                                また、生息地によって大きさや甲羅の模様も異なり、コレクション性にも優れています。

                                爬虫類・両生類情報誌『クリーパー』2012年No.61号の表紙には、およそ同種とは思えないアカアシガメの写真があります。写真左側のブラジリアンチェリーヘッドの成体の真っ赤な顔と鋭い眼差しは、まるで鬼の化身のようです。

                                And then, the feature of sizes and markings of their shells are difference by location, so that you could enjoy collecting them.

                                 

                                 

                                みっつ目は、ペットとして優れていること。

                                アカアシガメとキアシガメは消化器官が独自に進化しているため、リクガメの健康問題の一つの尿結石を心配する必要がありません。旬の果物を分け与えても、量が多すぎなければ問題とならないでしょう。

                                Third, they will be one of your good friends.

                                Since red foot tortoises and yellow foot tortoises have developed digestive organs, they don’t have any risk of urinary stones that would be sometimes one of the cause of tortoises’ death. Therefore, you can give them seasonal fruits within a moderate amount.

                                アカアシガメ

                                 

                                さらに、アカアシガメは穏やかな性格をしています。

                                地中海リクガメ属に見られるような、テリトリーの主張や交尾のための噛み付きやタックルもしません。

                                In addition, this specie also has a peaceful personality and doesn’t hurt others.

                                If you kept some testudo tortoises like Greek or Hermann’s ones etc., you could see some male tortoises biting and attacking another to claim their territory or mating behavior.

                                 

                                 

                                最後によく懸念とされる大きさですが、ノーザンフォームと呼ばれる南アメリカ北部の種でも、輸入されるCB個体の成長は飼育下で25cm前後(訂正。30cm程。40cmクラスは動物園以外でほとんど見かけません。)で止まるため、複数個体でなければ、広い庭がなくとも十分に飼育可能な大きさです。

                                Finally, some people often think their full-size adults are too big, but almost all red foot tortoises would stop growing by 9-10 inches. If you didn’t have a large garden in your house, you could keep them by taking them to the park near where you live or letting them walk on your balcony.

                                アカアシガメ


                                野生のリクガメの行動範囲

                                0

                                  リクガメの飼育書を見ていると、「リクガメは餌を探して長いときは1日数キロ移動します。」というような記述があり、広大な自然を旅をする、まるで母を訪ねて三千里のマルコのような生活を送っているのではないかと思ってしまう。

                                  ところが、リクガメは必ずしも餌を探して旅をし続けないということが、ブラジルのVila Velha大学の生態学部の研究チームの調査から明らかになった(Brazilian Journal of Biology November 30 2014)。
                                  http://www.scielo.br/scielo.php?pid=S1519-69842014003000018&script=sci_arttext

                                  彼らの研究は、「保護したアカアシリクガメを自然界に戻しても生きることができるのか。」をテーマに、保護センターで60日、観測地の近辺で60日の計120日間人の手によって管理した八匹を、ラジオトランスミッターを付けて森に放し、その後10ヶ月間の行動を観察するものだった。
                                  アマゾンの森林破壊から保護したリクガメたちをどうするか、という課題の解決作を模索するための興味深い研究だ。

                                  この調査の結果、二匹が捕食により死亡、一匹がトランスミッターが外れ不明となったが、その他の個体は自然下でも生存でき、生存した個体たちは保護センターに戻された。

                                  この調査が興味深い点は、自然に放した個体のうち五匹が7.75ha以内に留まり続けたことである。

                                  image source: JF Borinia, BB Petruccia, W Krohlinga, JL Rossi Júniora, MRD Santosa, PD Ferreira Júniora
                                  , Site fidelity and movement of Chelonoidis carbonaria (Spix,1824) (Testudinidae) in cocoa plantations in southeastern Brazil, Brazilian Journal of Biology, 2014,vol.74 no.3, pp137. 

                                  広大な自然の中で旅をするリクガメの生息イメージとは異なり、同じようなところを行ったりきたりしていたのである。
                                  7.75haというと、東京ドーム二個分以下(東京ドームの敷地面積は46,755屐法

                                  これは一〇ヶ月間の調査だが、リクガメはもしかすると、それほど広すぎない範囲で生活し続けるのかもしれない。


                                  スリナムWCの「ボノ」はどういう生活を送っていたのだろうか。
                                  会話などできませんので、知る由もありませんが。


                                  他のアカアシリクガメの飼育者も書いていましたが、この種類は人のことを流し目で観察しています。
                                  何を考えているかわかりませんが、じっとこちらを見られ続けると、不思議な気分になりますね。


                                  「楽ちゃん」も流し目。


                                  カメの学習能力は、ほ乳類や鳥類と同じ!?

                                  0
                                    「我が家のカメさんは賢いかも!?」
                                    毎日お世話をしながらカメさんの様々な表情や行動を見ていると、「この子たちは私を飼い主として認識しているに違いない!」とか、「ちゃんと餌が貰える場所を学習している。」とか、「もしかして天才かも!?」とか、誰にも話せずに心に秘めている飼育者の方も少なくないはず。



                                    人間以外の動物の知能を測定する方法として、チンパンジーやネズミの実験はよく知られていますよね。
                                    決められた順番通りにボタンを押すと餌が出るとか、テレビなどで一度は目にしたことがある、あれです。
                                    動物知能を研究する学問を、行動動物学というのですが、なんと我らがアイドルのカメの知能も研究されています。


                                    オーストリア大学の認知生物学部のJulia Mueller-Paulの研究チームが二〇一二年、三歳未満の四匹のアカアシリクガメに対してオルトン迷路試験を行っています。
                                    下の図(装置は例。)にあるように、放射状に八方向に伸びたアームの先端に餌を置いて、カメがアームに入る順番を記録するという実験です。
                                    空腹の状態に置かれたカメは、餌を食べたら中心点に戻り他のアームへ行きますが、餌がないアームに入るとエラーとなります。
                                    この実験を繰り返しエラーの数を記録することで、カメが学習しているか測定できるというものです。

                                    動物実験をご心配のみなさま、四匹のカメちゃんは二八度で管理され、一匹ずつに名前も付けられているほど大切にされているのでご安心を。カメに対する愛情がなければ、カメに対する認識を改めることを促すこのような研究もやらないでしょうしね。


                                    source: http://en.wikipedia.org/wiki/Radial_arm_maze

                                    この研究は、学習能力がないと考えられてきたカメ(アカアシリクガメ)にも、ほ乳類(主にラット)や鳥類(主に鳩)と同様に学習能力があること。学習の仕方が視覚によるものなのか、それとも記憶によるものなのか、この研究からでは特定できないが、視覚的な判断によって学習する個体もいたことを明らかにしています。

                                    論文を読みたい方はこちらを。
                                    http://www-users.york.ac.uk/~gh1/pdf/2012Mueller-Paul.pdf


                                    心理学と聞くと「あの人のあの行動は、どのような心のあらわれだろう?」というなものを想像される方が多いと思いますが、実は、この動物行動学こそが心理学で、ある条件下での生物の行動の規則性を記録して、その生物に本能的にその行動が備わっている、と明らかにする学問です。
                                    (もっとも、動物行動学の結果からチンパンジーに様々な知能があると結論づけられても、野生下においてその知能を発揮できるとは限りません。あくまで、決められた条件下での「知能」があることを証明したまでです。)

                                    ですから、心理学を学んでも相手の気持ちはわかりませんのでご注意を。笑い。


                                    それはともかく、カメにも学習能力があることが研究されています。
                                    我が家のカメにも英才教育しなきゃ!?

                                    飼育者のみなさまの可愛いカメちゃんは、学習能力の高い天才カメちゃんかも知れませんよ!!

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